現場直行や出張の前泊の場合の労働時間の範囲はどうなりますか?

 労働時間には該当しませんが、何らかの手当で報いるのが妥当でしょう。

 通常の通勤時間が労働時間に含まれないことは異論のないところですが、自宅から直接現地に赴く場合などのいわゆる「現場直行」や、前夜出発して翌朝からの打合せに出席するなどの「前泊」あるいは「休日出発」の場合には、直接業務を遂行する時間ではありませんが、通常の通勤時間とも異なるため、どのように考えたらよいか問題になるところです。

 自宅から目的地に行く間の時間は業務命令に基づいて行なわれるため、その全行動が広い意味で指揮命令下におかれた状態にあり、労働時間に含まれるようにも思われます。

 しかし、現地に向かう際に物品を運搬したり、前泊した夜に書類の作成を行なうなど特別の用務を指示された場合を除き、実際の労務の提供は目的地に到着してからなされますので、この時間については「労働時間」には該当しないと考えられます。

 したがって、現地への直行のための所要時間はもちろん、休日や前夜に出発した場合でも労働日数を2日とみなす必要はありません。

 しかし、早朝から現場(現地)へ直行する場合や、休日出発の場合は、通常の勤務時間よりも多くの負担を要することになります。

 そこで、それに要する時間は労働時間と扱わないとしても、何らかの手当を支給するなどの方法で報いることが妥当と考えられます。

 なお、出張中の休日に移動のため旅行する場合は、特段の指示がない限り労働時間に含める必要がないという行政解釈が出されています。

カテゴリー:労働時間

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