三六協定で、育児や介護を行う女性労働者の時間外労働の限度時間を1ヵ月36時間と定めてもよいですか

 労働基準法の改正に伴って激変緩和措置が設けられ、育児や介護を行う女性労働者の限度時間は4週間36時間、1年間150時間とされていますが、三六協定で限度期間を1カ月36時間、1年間150時間とすることは認められますか。

 なお、当社は教育・研究業に該当します。

上記「三六協定で、育児や介護を行う女性労働者の時間外労働の限度時間を1ヵ月36時間と定めてもよいですか」に対する回答

 1ヵ月36時間とすることは限度時間の範囲内とみなされますので差し支え ありません。

 女性労働者に関する時間外労働等の規制(保護規定)が平成11年4月1日から撤廃され、いわゆる三六協定で延長することができる限度時間は、男女同一の基準が適用されることとなりました。

 しかし、ご質問のように、法施行から3年間は、いわゆる「激変緩和措置」が設けられ、育児や介護を行う女性労働者から申し出があった場合には、一般の時間外労働時間の規制より低い水準の時間外労働の上限が適用されることとなりました。

 具体的には、一般の三六協定における限度時間は、4週間につき43時間、年間360時間等と定められていますが、ご質問にある育児や介護を行う女性労働者(改正労基法で「特定労働者」という)の時間外労働については、業種ごとに製造業、建設業、運輸交通業等は1週6時間、保健衛生業、接客娯楽業は2週12時間、商業、金融広告業、通信業、教育・研究業は4週36時間(いずれも年間150時間)とする限度時間が定められています。

 したがって、ご質問の教育・研究業の特定労働者については、三六協定による場合にも、平成14年3月31日までの間は、4週36時間、年間150時間までしか時間外労働等をさせることはできません。

 ご質問では、特定労働者の時間外労働等に対する協定時間を、1カ月36時間と締結したいということですが、この点については、行政解釈では、4週間(保健衛生業、接客娯楽業については2週間)を上回る一定期間について、36時間(保健衛生業、接客娯楽業については12時間)またはこれを下回る時間を延長時間として定める時間外労働協定については、限度時間の範囲内で協定されたものとして取扱うこととされています(平11.1.29基発第45号)。

 したがって、特定労働者について4週間を上回る1カ月について36時間を限度時間とする三六協定を締結することに、問題はありません。

 なお、時間外労働に関する労使協定(三六協定)の締結時間については、従来「指針」で「目安時間」として示されていましたが、改正法では、条文の中で新たに厚生労働大臣が定める「基準」として「限度時間」が定められました。

 したがって、限度時間の「基準」は一定の法的拘束力を持つことになりましたので注意が必要です。

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