契約社員の労働契約で、始業の時刻のみを定め終業の時刻は業務終了時とすることができますか
1年契約で雇用する契約社員の労働時間について、始業の時刻だけ定め、終業の時刻は業務終了時とする旨の契約を締結することができますか。
なお、給与は年俸制としています。
上記「契約社員の労働契約で、始業の時刻のみを定め終業の時刻は業務終了時とすることができますか」に対する回答
年俸制とする契約社員についても、労働契約(就業規則)では、始業と終業の時刻の両方について必ず定めなければなりません。
労働基準法では、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」(同法第15条)と規定しています。
そして、労働基準法施行規則第5条では、労働契約締結に際して、
1.労働契約の期間に関する事項、
2.就業場所、従事すべき業務に関する事項、
3.始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休日、休暇、就業時転換に関する事項、
4.賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切及び支払の時期、昇給に関する事項、
5.退職に関する事項
の五つをあげています。
この規定は、労働基準法(第15条)上の労働者である契約社員にも当然適用されます。
したがって、ご質問の年俸制による契約社員に対しても、労働契約の締結に際して、必ず始業及び終業の時刻を明示しなければならず、始業の時刻だけ定めて、終業時刻を業務終了時とすることはできません。
また、変形労働時間制を採用しない限り、休憩時間を除く実働時間が1日8時間、1週40時間を超えた場合には、その超えた時間については、2割5分以上の割増賃金を支払わなければならないことはいうまでもありません。
なお、契約社員向けの就業規則を作成する場合にも、以上の点については同様ですので、ご注意下さい。
カテゴリー:パート・契約社員
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