残業だけでなく、早出についても手当を支払う必要があるのでしょうか?

 当社の1日の所定労働時間は午前9時から午後5時30分まで(休憩1時間)の7時間30分です。

 当社では午後5時30分を超えて30分以上超過勤務した場合に残業手当を支払っていますが、午前9時より前に早出勤務した時間については、時間外手当を支払っていません。

 早出についても手当を支払う必要があるのでしょうか。
 また、早出も30分以上の場合に限って手当を支払うようにしてもよいのでしょうか?

上記「残業だけでなく、早出についても手当を支払う必要があるのでしょうか?」に対する回答

 早出や残業などの名称にかかわらず、所定労働時間を超えて労働させた時間に対しては賃金を支払う必要があります。

 まず、ご質問の前段は、早出手当を支払う必要があるかどうかということですが、貴社の所定労働時間は7時間30分とのことですから、早出か残業かを問わず、始業時刻および終業時刻の前後に労働させた時間については通常の賃金を支払わなければなりません。

 また、労働基準法では、1日8時間を超えて労働させた場合には、その時間について2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないこととしていますので、8時間を超えて労働した場合には、通常の賃金のほかに割増賃金を支払わなければなりません。

 次に、早出時間が30分以上でないと手当を支払わないという取扱いも、労働基準法に違反することになります。

 実際に労働した時間について賃金不払いになるからです。

 たとえば、貴社の従業員が午前8時40分から労働した日が20日あった場合には、月例給与に加えて20分×20日=6.7時間分の賃金を支払わなければなりませんが、早出時間が30分以上でなければ手当を支払わないという取扱いをしますと、6.7時間分の給与が不払いということになるからです。

 以上のことから、現在貴社で行っている残業手当の取扱いも法令に違反していることになりますので、従業員の日々の実働時間を正確に把握して、賃金を適正に支払うようにして下さい。

 ただし、行政解釈(昭63.3.14基発第150号)では、一給与計算期間中に時間外労働をした時間の合計に30分未満の端数がある場合には、これを切り捨てても差し支えないとされていますので、このように取扱うことはできます。

カテゴリー:諸手当

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