マイカー通勤の通勤手当支給基準を、「住居から会社までの直線距離」で算出してもよいですか?

 当社では、マイカー通勤者の支給基準を「住居から会社までの距離による」と定めていますが、この場合、通勤費の算出に当たっては、距離の算定は実際の道程距離でなく、直線距離で算出してもよいですか。

上記「マイカー通勤の通勤手当支給基準を、「住居から会社までの直線距離」で算出してもよいですか?」に対する回答

 通勤手当は、通勤に要する実費を補償するというところに目的があります。

 したがって、マイカー通勤者の通勤手当を算出する場合には、実際の道程距離をもとに算出するのが妥当と思われます。

 通勤手当は、本来、通勤に要する実費を補償するという性格のものです。マイカー通勤者の通勤手当額の算出について、貴社では、「住居から会社までの距離」を支給基準とされているとのことですが、その趣旨は、「実際の道程距離」に応じて通勤に要するガソリン代その他の実費相当額を補償するというところにあるものと思われます。

 これは、公共交通機関を利用する者との間の均衡を考慮したものでもあります。

 ところで、いわゆるマイカー等通勤に要する費用については、所得税法上も、「自転車や自動車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当」として、「通勤距離が片道一定距離以上である場合にはガソリン代等の実費相当額を非課税とする」旨の定めをしていますが、この場合の「距離」は、当然のことながら、実際に通勤に要する最短距離と解されます。

 実際、河川や道路の関係上、「実際の道程距離」が「直線距離」の何倍もの距離にあたるようなケースもありえますので、マイカー通勤者の通勤手当を「直線距離」によって支給するという措置には合理性がありません。

 以上のように、通勤手当本来の目的や実際にあり得るケース(今現在そのような該当者がいるかどうかは別として)を考えますと、「実際の道程距離」をもとに算出するのが妥当であると思われます。

カテゴリー:諸手当

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