育児休業中に勤務したときは、割増賃金の支払が必要となるのでしょうか?

 育児休業を取得中の者が勤務したときは、休日出勤としての割増賃金が必要になるのでしょうか。

上記「育児休業中に勤務したときは、割増賃金の支払が必要となるのでしょうか?」に対する回答

 割増賃金の支払いが必要となるのは、労働の義務のない休日(法定休日)に労働させた場合に限られますが、育児休業は、労働の義務を免除された休暇と解されていますので、育児休業中に勤務しても通常の賃金を支払うだけでよく、割増賃金の支払いは必要ありません。

 労働基準法第35条は、休日について「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」(同第1項)「前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない」(同第2項)と定め、同第37条では、この休日に労働させた場合には、時間外労働と同様、割増賃金(ただし、休日労働に対する割増率は3割5分増以上の率で計算した割増賃金)を支払わなければならないものとしています。

 しかし、「休日労働に対し割増賃金を支払わなければならないのは、法第35条の休日のみ」(昭23.4.5基発537号、昭63.3.14基発150号)です。

 ところで、育児休業の法的性格は、労働の義務を免除された休暇であると解されています(平3.12.20基発第712号参照)。

 したがって、ご質問の育児休業は休暇であり、労働基準法第35条の休日には該当しませんので、育児休業中の出勤に対しては、割増賃金の支払義務は生じません。

 ただし、実際に労働させた時間に対しては、通常の賃金を支払わなければならないことはいうまでもありません。

カテゴリー:諸手当

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