全日欠勤者に家族手当と勤務地手当を支給してもよいでしょうか?
当社では、これまで、1カ月の所定勤務日数をすべて欠勤した社員の給与は、諸手当を含めて全額不支給としていましたが、今後、家族手当と勤務地手当については、全日欠勤した者についても、全額支払うことにしました。
この場合、同じように全日欠勤した社員でも、家族手当や勤務地手当の対象とならない者は、従来どおり支払いがないことになります。
このような差が生じることは法的に問題はないでしょうか。
上記「全日欠勤者に家族手当と勤務地手当を支給してもよいでしょうか?」に対する回答
全日欠勤者に一部の手当を支払うことにしても法的には問題はありませんが、手当の支給対象者と対象者でない者との間で不公平感は残りますので、従業員の納得が得られるように慎重な検討が必要です。
家族手当や勤務地手当などの諸手当の支給対象者の範囲や支給基準(欠勤時の取扱いを含む)は、賃金の決定及び計算の方法にあたりますので、就業規則(給与規程)に必ず定めておく必要がある事項です。
しかし、具体的な支給対象者や支給基準をどうするかについては、労働基準法では何も定めていませんので、任意に設定することができます。
したがって、ご質問にある家族手当や勤務地手当について、月の所定勤務日数の全日を欠勤した者に、全額支払うように変更することにしても、法的には何ら問題ありません。
しかし、このように給与規程を変更した場合、同じように全日欠勤したにもかかわらず、家族手当や勤務地手当の支給対象である社員とそうでない社員との間に格差が生じることになり不公平が生じます。
ご質問では、なぜ家族手当と勤務地手当を全日欠勤者に支給するのか、改定を行う背景(趣旨)がわかりませんが、こうした改定が従業員にとって納得がいくものである必要があります。
法的に違反するかどうかについてご心配されるより、むしろこうした改定に妥当性があるかどうかについて十分な検討が必要でしょう。
カテゴリー:諸手当
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