経費削減のため、出張時の日当を一定期間不支給としてもよいでしょうか

 当社では、経営状況の改善策として、就業規則に規定されている出張時の日当を一定期間支給しないこととしたいのですが、このような措置は可能でしょうか。

上記「経費削減のため、出張時の日当を一定期間不支給としてもよいでしょうか」に対する回答

 経営状況や日当の意味合いにもよりますが、その他の経費削減策を講じることを優先させるべきでしょう。

 また、従業員への説明も大切です。

 一般に、日当は、出張に伴う精神的、肉体的疲労に対する慰労や諸雑費の補填という意味合いで支給されることから、賃金とは解されず、税法上も非課税とされています。

 また、企業によっては、出張時の労働時間管理が困難であることから事業場外労働みなし労働時間を適用し、出張時の労働時間にかかわらず、所定労働時間労働したものとみなして、時間外労働の手当の対象外としたうえで、日当に時間外労働手当の意味合いを含めている場合もあります。

 ご質問では、貴社が日当をどのような趣旨で支給しているのかわかりませんが、就業規則に明記されたものであることからみますと、日当は労働条件の一部となっているものと考えられます。

 したがって、経営状況の悪化を理由に、これまで支給してきた日当を不支給とすることは労働条件の不利益変更に該当する恐れがあります。

 ご質問は、経費削減策の一環として、日当を一定期間に限って不支給とする趣旨と推察されますが、前述のように日当が労働条件の一部となっていることを考えますと、貴社の出張の実態や日当を支給しないという措置を講じるまでに、どのような経費削減策を講じてきたのかなどを総合的に判断しなければならないと思われます。

 例えば、出張が常態的に行われていて、日当が経費に大きな負担になっているとか、また、これまで、あらゆる経費削減策を講じてもなお経営環境が改善されずやむを得ない措置であるとかなど、日当を削減するに至った背景や経緯をもう一度検討してみる必要があるでしょう。

 いずれにしても、日当削減(カット)を避ける努力を最大限に行った後、それでも、どうしてもやむを得ない場合に限って、従業員に十分説明し、納得を得てから、日当削減を行うようにすべきです。

カテゴリー:諸手当

アクセスランキングトップ10

 次には、アクセスの多いQ&A記事のトップ10を表示しています。

  • (現在集計中)