本人不在時に、社員の机を無断で開けてもよいでしょうか?
社員が退社した後または休暇中などの不在時に、その者が担当する取引先から商談内容等に関する問い合わせが入ることがあります。
このような場合、会社(上長等)は、本人の承諾なく、その者の机を開け資料を探したりしてもよいでしょうか。
上記「本人不在時に、社員の机を無断で開けてもよいでしょうか?」に対する回答
会社で使用する机は仕事に必要なものですので、取引先から問い合わせが入ったときなど業務上の必要性がある場合には、不在社員の机を開けることに本人の承諾は必要としません。
机は、「仕事」に必要だからこそ、会社が社員に対して貸与しているものです。
そのため机には、原則として仕事に必要なものだけを入れるようにすべきであり、そのような使い方をしている限り、他の社員や上長等が机を開けてもなんら問題はないはずです。
仕事に関係ない私物を机の中に入れている人は、上長等に不意に机を開けられると困るかもしれませんが、もしそれをプライバシーの侵害などと言うなら本末転倒というものでしょう。
さらに、プライバイシー等の問題以前に、ご質問のように取引先から問い合わせがあったような場合には、その取引先に対して速やかに満足な回答をすることこそが会社にとって最優先の「仕事」であるはずです。
このとき担当者本人が不在ならば、誰かがかわってその仕事(取引先への満足な回答)を完了させなければなりませんので、このように業務上の必要性がある場合には、不在社員の机を開けることに本人の承諾は必要としません。
もっとも、小学生や中学生などに対してするように、「持ち物検査」的な趣向で不在中に机の中を点検するというのは感心できませんが、会社で使用する机や什器等は業務上の必要性から社員に貸与しているものであり、会社に施設管理義務がありますので、業務上の必要性がある場合に社員の机の中を探すなどしてもなんらは問題ありません。
なお、トラブルを避けるためには、就業規則に、「社員は、机の中等に私物を入れてはならない」、「会社は、業務上の必要がある場合には、会社が社員に貸与した机、ロッカー、キャビネット等を開けることがある」旨を定めておくとよいでしょう。
カテゴリー:就業規則
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