就業規則を変更し、周知不徹底のままこれに従わせることはできますか?

 会社側の都合で就業規則の規定を変更し、従業員に十分周知徹底させないままに、これに従わせることはできるでしょうか。

上記「就業規則を変更し、周知不徹底のままこれに従わせることはできますか?」に対する回答

 就業規則の効力発生時期は、就業規則が労働者に周知された時期以降で、施行日として定められた日と解されていますので、 周知されていない就業規則に労働者を従わせることはできません。

 労働者への周知が不徹底な場合は、早急に周知する必要があります。

 就業規則の制定は、使用者の経営権に由来し、「経営主体が一方的に作成し、かつ、これを変更することができる」と解されています(昭43.12.25最高裁大法廷判決「秋北バス改正就業規則効力停止請求事件」参照)。

 ところで、就業規則を作成・変更する場合には、
1.労働者代表の意見聴取(労働基準法第90条第1項参照)、
2.行政官庁(労働基準監督署長)への届出(同法第89条および第90条第2項参照)、
3.労働者への周知(同法第106条参照)
 の3つの手続きが必要とされています。

 ご質問では、3の「周知」が不十分とのことですが、一般に、就業規則の効力発生時期は、就業規則が労働者に周知された時期以降で、施行日として定められた日となるものと解されていますので、変更した就業規則を従業員に「周知」するまでは、変更した就業規則の効力は発生しません。

 したがって、周知されていない就業規則に、従業員を従わせることはできません。

 また、ご質問では、上記の3つの手続きのうち、1、2の手続きを行われたかどうかについては明らかではありませんが、1の意見聴取を、過半数で組織する労働組合から行った場合には、一応その時点で周知がなされたものと考えることもできますが、その場合にも改めてその周知をすることが望ましいでしょう。

 なお、変更した就業規則を「周知」する方法としては、
1.常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付ける、
2.書面を労働者に交付する、
3.磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する、
 という3つの方法のいずれかによることとされています(施行規則第52条の2参照)。

 早急にいずれかの方法で周知するようにしてください。

カテゴリー:就業規則

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