支社や営業所がある場合、就業規則は、本社で一括して届け出てはいけないのでしょうか?

 当社は全国に支社や営業所がありますが、就業規則を変更した場合、その変更届を全社分として一括して、本社の所轄の労働基準監督署に出してもよいでしょうか?

上記「支社や営業所がある場合、就業規則は、本社で一括して届け出てはいけないのでしょうか?」に対する回答

 労働組合がある場合の意見聴取の方法に例外はありますが、届け出は事業場(支社や営業所)ごとに行わなければなりません。

 常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成して、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないことになっていますが、この場合の「事業場」とは主に、場所的に独立しているか否かによって判断することとされています。

 したがって、就業規則は原則として支社や営業所ごとに届け出なければなりません。

 ただし、同じ場所にあっても、工場内の診療所、食堂のように、従事する従業員や労務管理などが主な部門とはっきり区別されている場合には、それぞれ独立した事業とみなします。

 しかし、デパート等のテナントなどのように、場所的に分散していても、規模が著しく小さく、一つの事業というほどの独立性がないものは、すぐ上の機構とひとまとめにして取り扱うこと、生命保険会社の支部や営業所について、規模が小さく組織的にも事務処理能力の点でも独立性がないときには、支社と一括して一つの事業として取り扱うこと、などの特例が認められています。

 就業規則の届け出にあたっては、支社(営業所)に、従業員の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、そのような労働組合がない場合には、従業員の過半数を代表する者の意見を聴き、その意見書を添付することになっています。

 労働組合が単一組識であるときは、全支社(営業所)の従業員に適用される就業規則が本社で作られ、その主な内容について、「本社と各労働組合本部との間で、別途に労働協約などを結んでいる」場合には、本社において各労働組合本部の意見を聴けばよく、各支社(営業所)ごとに意見を聴かなくて差し支えありません。

 しかし、支社(営業所)ごとにみたときに、従業員の過半数が加入していない労働組合の支部、分会等があるときは、それらの各支社(営業所)の従業員の過半数を代表する者の意見を聴き、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。

 なお、本社で労働組合本部の意見を聴く際には、関係各支社(営業所)が同意見であることを確認し、その点を付記して届け出ることが望ましいとされています。

 また、労働組合が単一組識で、支社(営業所)に労働組合の支部がないときや、支部、部会が置かれていても代表者がいないなど独立性をもたない場合には、支社(営業所)ごとに従業員の過半数が加入している限り、労働組合本部の意見を聴くことで差し支えないものとされています。

カテゴリー:就業規則

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