海外駐在員の給与を国内給与と現地給与に分けて支払う場合、社会保険の標準報酬はどのように算定するのでしょうか?

 当社では、近く中国に駐在員を派遣する予定ですが、現地での所得税率が非常に高いため、国内給与と現地給与を分けて支払うことを検討しています。

 この場合、標準報酬の算定はどのように行えばよいのかお教え下さい。

 また、現地での所得税を補填するための手当(補填手当)の支給を予定していますが、この補填手当は社会保険の標準報酬算定基礎額に含まれるのでしょうか。

上記「海外駐在員の給与を国内給与と現地給与に分けて支払う場合、社会保険の標準報酬はどのように算定するのでしょうか?」に対する回答

 標準報酬の算定は、すべての給与(国内給与と現地給与)を合算した額で行います。その際、ご質問の補填手当も含めなければなりません。

 社会保険の標準報酬は、一部のもの(※)を除き、会社から支給されるすべての給与が算定基礎額となります。

 したがって、ご質問のように、海外駐在員の給与を国内給与と現地給与とに分けて支給する場合にも、標準報酬はその双方の合算額によって算出します。

 その際、ハードシップ手当や海外駐在手当、子女教育手当などのような手当も標準報酬の算定基礎額に含めなければなりません。

(※)標準報酬算定基礎賃金から除外されるものには、

1.恩恵的に支給されるもの(結婚祝金、災害見舞金など)、
2.臨時に支給されるもの(大入りなど)、
3.実費弁償的なもの(出張旅費など)、
4.年間3回まで支給される賞与(ただし賞与等については「特別保険料」の対象となる)
 などがあります。

 また、ご質問では、中国での現地給与にかかる所得税額と、当該現地給与を日本国内で支給したときにかかる所得税額との差額を補填する手当(補填手当)を支給したいとのことですが、この補填手当は、算定基礎賃金から除外されるものには該当しませんので、標準報酬の算定基礎額に含めなければなりません。

 ところで、日本国内の企業が、社員を海外の現地法人や関連企業などに出向させたときに、その海外出向者の給与を国内企業から支給せず、海外の現地法人等からのみ支給する場合には、その海外出向者と適用事業所(国内企業)との間の使用関係はいったん解消されたものとみなされますので、原則として、社会保険の被保険者資格の喪失手続きをとることになります。

カテゴリー:社会保険

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