労働保険料の計算をするにあたって、賃金総額に船員保険加入者の賃金も含めなければなりませんか?

 当社には、船員保険に加入している者が数名いますが、労働保険料の計算をする際、これら社員の賃金も賃金総額に含める必要があるのでしょうか。

上記「労働保険料の計算をするにあたって、賃金総額に船員保険加入者の賃金も含めなければなりませんか?」に対する回答

 船員保険の強制被保険者は、労災保険および雇用保険の適用が除外されていますので、労働保険の賃金総額に含める必要はありません。

 そもそも船員保険は、船員を対象とした総合的な社会保険制度で、給付は医療給付をはじめ、災害補償給付、失業等給付を行っています。

 このように、船員保険は、健康保険、労災保険、雇用保険の給付を体系的に網羅している制度です(ただし、老齢、職務外の障害、死亡に関する年金については、昭和61年に厚生年金保険に統合されました)。

 したがって、在職中の船員であれば強制的に船員保険が適用されます(以下、「強制被保険者」という)ので、健康保険のほか、労災保険や雇用保険も適用除外となります。

 この点について、まず、労災保険法では、「国の直営事業、官公署の事業(労働基準法別表第一に掲げる事業を除く)及び船員保険法第17条の規定による船員保険の被保険者については、この法律は、これを適用しない」(同法第3条第2項)としています。

 雇用保険法でも、「船員保険法第17条の規定による船員保険の被保険者」は雇用保険の適用を除外することとしています(同法第6条第3号)。

 なお、ここでいう「船員保険法第17条の規定による船員保険の被保険者」とは、前述の強制被保険者をさします。

 ご質問では、貴社に在職している船員の方は船員保険に加入されているとのことですので、船員保険の強制被保険者に該当し、労災保険および雇用保険はともに適用除外となります。

 したがって、労働保険料を計算する際の賃金総額には当該船員の賃金を含める必要はありません

カテゴリー:社会保険

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