介護保険料の労使負担の割合を折半にするためにはどうしたらいいですか?

 当社では、健康保険の保険料は会社が55、社員が45の負担となっていますが、平成12年4月から実施される介護保険料の負担については労使折半にしたいと考えています。

 この場合、労組に労使折半するための論拠、理由を示さなければなりません。つきましては、何か良い知恵があったらご教示下さい。

上記「介護保険料の労使負担の割合を折半にするためにはどうしたらいいですか?」に対する回答

 第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険の加入者)の介護保険の保険料の負担割合は、原則として労使折半とされていますが、医療保険の場合と同様、医療保険(健康保険組合等)ごとに自由に決めることができます。

 したがって、介護保険料と健康保険料の負担割合を同一にする必要はありません。

 そこで、新しい保険制度である介護保険については、原則どおり労使折半にする旨労働組合と交渉し、合意を得るしかありません。

 介護保険はいよいよ平成12年4月から実施されますが、介護保険は、65歳以上の人(第1号被保険者)と、40歳以上65歳未満の医療保険に加入している人(第2号被保険者)から構成されます。

 まず、第1号被保険者の保険料については、所得に応じて5段階に分けられていますが、金額は居住する市区町村によって異なります。

 保険料納付は、老齢の年金受給額が一定額以上の人は年金から天引きされ、それ以外の人は個別に市区町村に納付します。

 これに対して、第2号被保険者が加入している医療保険は、健康保険と国民健康保険の場合がありますが、どちらも健康保険料と一括で徴収されます。

 会社員や公務員が加入している健康保険の料率は、健康保険法第72条で「被保険者及被保険者ヲ使用する事業主ハ各保険料額ノ2分ノ1ヲ負担ス」と、健康保険料の負担割合を労使折半と定めており、政府管掌の場合はこの条文のとおり、労働者と使用者は健康保険料を2分の1ずつ負担しています。

 ただし、健康保険組合の場合の保険料については、同法第75条で、「健康保険組合ハ第72条ノ規定ニ拘ラズソノ規約ヲ以テ事業主ノ負担スベキ一般保険料額又ハ介護保険料額ノ負担ノ割合ヲ増加スルコトヲ得」と定めており、健康保険組合ごとに、健康保険及び介護保険の事業主負担を増やすことも可能としています。

 御社が加入している健康保険は、保険料が労使折半ではないところをみると、健康保険組合管掌のものと思われます。

 介護保険も健康保険の場合と同様に、原則的には労使折半とされていますが、上記第75条のとおり、健康保険組合ごとに決めることが可能となっています。

 事業主負担を増やすことも可能ですし、原則どおり労使折半にすることも可能というわけです。

 つまり、御社のように健康保険料を労使折半にしていない場合でも、介護保険料は労使折半にしても問題はありません。

 健康保険料の料率と介護保険料の料率はリンクしているわけでなく、料率を揃える必要はないのです。

カテゴリー:社会保険

アクセスランキングトップ10

 次には、アクセスの多いQ&A記事のトップ10を表示しています。

  • (現在集計中)