業務上災害で休業中(全部休業)の者に賃金を支払った場合、労災保険の給付はどうなりますか?
業務上災害で療養のため、1日の所定労働時間の全部について労務不能で(「全部休業」)休業中の社員に賃金を支払った場合、休業補償給付はどうなるのでしょうか。
また、休業特別支給金との兼ね合いも含めて、休業補償給付と賃金で100%にするには、会社は何%補償すればよいでしょうか?
上記「業務上災害で休業中(全部休業)の者に賃金を支払った場合、労災保険の給付はどうなりますか?」に対する回答
全部休業の者に支払った賃金が60%未満なら、休業補償給付は全額支給されます。
労災保険では、労働者が業務上の負傷または疾病による療養のため労働できず、賃金を受けない(支払った賃金が60%未満であれば、該当すると解されます)日がある場合、その4日目から休業補償給付が支給され、その額は1日につき給付基礎日額の100分の60に相当する額とされています。
また、休業補償給付の受給権者に対しては、休業4日目から、休業1日につき、給付基礎日額(平均賃金日額)の100分の20にあたる休業特別支給金(以下「特別支給金」という)が支給されます。
これらを前提に質問のケ?スを考えてみましょう。
まず、全部休業しているにも係らず休業した日の賃金が支払われた場合、その賃金が給付基礎日額の60%未満なら、休業補償給付及び特別支給金は、それぞれ次の計算式で計算した額が支給されます。
o休業補償給付の額=給付基礎日額×60/100
o休業特別支給金=給付基礎日額×20/100
では、全部休業した日に、賃金が全く支払われない場合と賃金が40%支払われた場合とについて考えてみましょう。
(1)賃金が全く支払われない場合………
休業補償給付と特別支給金とを合わせて給付日額の80%(休業補償給付60%と特別支給金20%)が支給されます。
(2)賃金が40%支払われた場合………
賃金が支払われる場合にも、60%未満であれば、「賃金が支払われない」場合に該当しますので、賃金プラス上記?と同様の額が支払われます。この場合、賃金40%と給付基礎日額80%の合計額が支払われることになり、普通に働いて受け取る賃金よりも20%上回ることになります(ただし、この場合の賃金には賞与は含まれません)。
そこで、ご質問にあるように、休業補償給付と賃金で100%を補償するには、
(1)の通り、休業補償給付及び特別支給金で80%が支給されますので、賃金は20%補償すればよいことになります。
カテゴリー:社会保険
アクセスランキングトップ10
次には、アクセスの多いQ&A記事のトップ10を表示しています。
- (現在集計中)