単身赴任者が帰省の途中に事故に遭った場合にも通勤災害となりますか?

 単身赴任の社員が週末の日の終業後に、赴任先から自宅に帰省する途中で事故に遭って怪我をした場合、通勤災害として労災保険の給付を受けることができますか?

上記「単身赴任者が帰省の途中に事故に遭った場合にも通勤災害となりますか?」に対する回答

 往復行為に反復・継続性(おおむね月1回以上)が認められる場合には、通勤災害とみなされます。

 労災保険における通勤災害とは、労働者が通勤途上に災害に遭い、負傷、疾病、障害又は死亡した場合をいいます。

 この場合、「通勤途上」とは、自宅と就業場所の往復をいい、通常の合理的な経路を外れたり、往復を中断した場合には、それ以後は原則として労災保険法上の通勤とはみなされないこととされています。

 この基準からすると、単身赴任者の帰省は「通勤」に該当しないことになりますが、単身赴任者が帰省のために往復する場合で「当該行為に反復・継続性が認められたとき」は、従来から特例として、家族の住む家屋を「自宅」と認め、「就業の場所」とこの「自宅」を往復する場合には、一定の要件(距離や所要時間の制限)のもとに「通勤」とみなすこととされてきました。

 そして、平成7年に出された新認定基準では、認定基準が緩和され、単身赴任者等のいわゆる”金帰月来型”の帰省、赴任途上に被った災害に対しては、赴任地と自宅との間の距離や所要時間にかかわりなく通勤災害として取り扱われることになりました。

 この新認定基準では、「反復・継続性」の具体的な判断基準は示されていませんが、「単身赴任者が自宅と赴任先との間を往復する頻度は、約9割が月1回程度で、8割の企業が単身赴任者に何らかの手当を賃金として支給していることを考えれば、『おおむね月1回以上』というのが運用基準となる」(労働省補償課)との判断が示されています。

 なお、この場合の対象者には、独身者も含まれることになっています。

 つまり、実家(親元)等に生活の本拠を持っていた者が、転勤で実家から通勤できない遠隔地に赴任することになった場合には、独身者でも、実家等への帰省のための往復が、反復・継続的(月1回程度)に行なわれる場合は通勤災害の対象となるわけです。

カテゴリー:社会保険

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