緊急連絡用としてパートタイマーから家族調書をとることに問題ありますか?

 当社では、工場で多数のパートタイマーを雇用しています。
 危険な作業はないのですが、何かのときの緊急連絡用として、従業員の家族の氏名、勤務先や学校名およびその電話番号等の情報について家族調書をとりたいと考えているのですが、なにか問題はあるでしょうか。

上記「緊急連絡用としてパートタイマーから家族調書をとることに問題ありますか?」に対する回答

 採用選考に際して本人以外の情報を求めることは好ましくありませんが、採用決定後に適正な雇用管理等の必要から行うものについては、問題ありません。

 数年前より、市販の履歴書から「本籍地欄」や「家族欄」がなくなりました。
 「本籍地」は同和問題等の点から都道府県までとした行政通達に基づいて、また、「家欄欄」は本人の職務適性等に直接関係ない事項であり採否の判断材料とすべきではないとの趣旨から削除されたものです。

 さらに、採用時に提出させる健康診断書も、プライバシーや人件問題等の観点から、採用予定業務を問題なく遂行できる健康状態であるかの判断に必要な最小限の項目に限定すべきものとされています。

 このように、採用選考時には、採否判断に直接必要のない情報は求めるべきでないこととされていますが、採用後の雇用管理のステージにもこれとまったく同じ考えをとらなければならないということではありません。

 要するに、本人の能力や適性に直接関係のない家族情報等を採否決定に用いることは好ましくありませんが、採用後に、家族状況等も勘案して無理のない配置決定をするなど適正な雇用管理を実施するため、あるいは、ご質問のように緊急連絡用等のために家族情報を把握することは、会社にとって必要な措置だといえます。

 ご質問の場合、「何かのときの緊急連絡用」として家族調書の提出を求めるということですので、以上の趣旨から見てなんら問題はありません。

 なお、採用選考時にも、履歴書に記載された住所確認等のために、住民票記載事項証明書(本籍地および同居家族等他の同一世帯者に関する記載のないもの)の提出を求めることは差し支えありません。

カテゴリー:採用・雇用

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