マネキン会社からの紹介でマネキンを使用する場合、給与はどちらが支払うのでしょうか?

 マネキン会社からマネキンを紹介してもらう場合、給与の支払いは当社とマネキン会社のどちらが行うべきなのでしょうか。

 また、そのときの税金の手続きなどの留意点についてもお聞かせ下さい。

上記「マネキン会社からの紹介でマネキンを使用する場合、給与はどちらが支払うのでしょうか?」に対する回答

 マネキン会社は現在有料職業紹介事業とされていますので、雇用契約は貴社とマネキンとの間で締結することになります。

 したがって、法律的には貴社が直接マネキンに給与を支払わなければなりませんが、実際にはマネキン会社が給与を支払うケースが多いようです。

 なお、源泉徴収などの税金の手続きについては、実際の給与支払者が行うことになります。

 職業安定法第32条は「美術、音楽、演芸その他特別の技術を必要とする職業について厚生労働大臣の許可を得た場合には、手数料を徴収して職業紹介事業(以下「有料職業紹介事業」という)を行なうことができる」と定め、許可を受けたときは、有料職業紹介事業を行うこととしています。

 この有料職業紹介事業には、「マネキン」の事業も含まれます(職業安定法規則24条)。

 また、職業紹介事業について、同法第5条は「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立を斡旋する」ものと定義しています。

 以上からわかるように、マネキン会社は求人者とマネキン(求職者)との雇用契約を斡旋する職業紹介事業であり、雇用契約関係は貴社とマネキンとの間に成立することになります。

 したがって、厳密には、有料職業紹介事業が求人者に代わって給与を支払うことは、賃金の直接払いの原則(労働基準法第24条)に反し違法となりますが、現実には、求人者が求職者への給与を職業紹介事業(マネキン会社)を経由して支払ったり、さらには、紹介手数料および人件費(マネキンへの給与)としてではなく、派遣料(マネキン会社への報酬)として職業紹介事業に支払っているケースもあるようです。

 ところで、源泉所得税については、所得税法では、「源泉徴収の対象となる所得」を支払う者はその支払う賃金から所得税を源泉徴収して国に収める義務を負うこととされており(同法第6条)、その範囲には「給与等」も含まれますので、貴社がマネキンの給与を支払う場合には、貴社が源泉を行い、マネキン会社が給与を支払う場合には、マネキン会社が源泉を行って国に納付することになります。

 なお、平成11年12月より労働者派遣法が改正され、派遣対象業務の範囲が原則自由化と定められましたので、マネキンの事業も派遣事業として認められることとなりました。

 したがって、マネキン会社が有料職業紹介(許可)事業なのか派遣(許可)事業なのかで、賃金の支払い方も変わってきますので注意が必要です。

カテゴリー:採用・雇用

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