新卒者を4月1日前に、正式に入社させることができますか?
これまで、4月1日を新規学卒者の入社日としてきましたが、新入社員をより早く戦力化するために、来年度から、4月1日前に入社させたいと思っていますが、問題はないでしょうか?
また卒業試験で単位を落とし、卒業できなかった者については、どうしたらよいでしょうか?
上記「新卒者を4月1日前に、正式に入社させることができますか?」に対する回答
大学新卒者については問題はありません。
高校新卒者は卒業式が終了するまでは、入社させることはできません。
新規学卒者とは、中学校、高等学校、専門学校、短期大学、大学( 大学院を含む)などを卒業し、企業に入社する者などをいいますが、これらの学校等によって、ご質問の扱いが異なりますので、以下にそのポイントについて見ることにしましょう。
まず、四大卒者については、厚生労働省(ハローワーク)の『'98新卒者募集のために』の中で、平成9年度大学等新卒者の採用活動について、
(1)情報の公開、
(2)採用内定の開始(時期)、
(3)公正な採用、
(4)学事日程の尊重
の四つについて基準を示していますが、入社日については何も触れていませんので、卒業前に入社させても問題はないものと思われます。
実際、四年制大学(大学院)では、3年間で卒業に必要な単位の大半を取得できるようになっているところが多く、また卒業試験の後は入試との関係もあって、授業はほとんど組まれていません。
したがって、大学卒業予定者の場合には、4月1日より前に入社させることに支障はないものと思われます。
もし、卒業前に入社させた学生が、卒業単位の一部が不足したため卒業できなかったような場合でも、入社後に単位の履修を保障するようにすれば、そのまま入社させて問題はないでしょう。
専門学校や短大の場合にも、基本的には四大卒と同様に考えてよいと思われますが、専門学校や短大の場合は、一般に、卒業直前まで授業が行われていることが多いので、学事日程を考慮して、入社日は卒業式の後にするべきでしょう。
高等学校卒業予定者については、前掲の『'98新卒者募集のために』の中で、募集や選考活動について、
(1)企業の学校訪問は7月1日以降、ハローワークの確認印のある求人票を受けとってから、
(2)推薦開始日は9月5日以降、
(3)選考開始日は9月16日以降、とされています。
また、入社日については、卒業式以降と明記されており、それ以前に正式な入社をさせてはならないとしています。
中学校卒業予定者の採用活動は、公共職業安定所を通して行いますので、公共職業安定所の指示に従う必要があります。
具体的には、選考開始日、推薦開始日ともに1月1日以降とされています。また、正式入社日は、義務教育が終わった4月1日以降です。
したがって、たとえ卒業式の終了後であっても、3月31日までは、正式に入社させることはできません。
カテゴリー:採用・雇用
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