前の職場での退職理由を照会したり、また、これに応じたりしてはいけないでしょうか?
退職した社員の再就職が内定している会社から、当社を退職した理由について照会がありました。こうした照会をしたり、これに応じることは問題ないでしょうか?
上記「前の職場での退職理由を照会したり、また、これに応じたりしてはいけないでしょうか?」に対する回答
使用証明書の交付により、就業を妨げることを目的としたものでなければ問題ありません。
退職理由の照会は、普通、電話や書面で行われることが多いと思われますが、実際には照会者の使途がはっきりしていないことも多く、照会に応じることによって、就業を妨げることになるケ?スがあること、また、退職理由を第三者に知らせることは、本人のプライバシ?の侵害になる恐れもありますので、注意が必要です。
そこで、本人を介さない会社間における退職理由の照会は、なるべく避け、原則として面接や応募書類によって、本人から申告してもらうようにすべきでしょう。
特別な事情で前の職場に問い合わせる必要がある場合には、本人から前の職場に使用証明書の交付を依頼し、その証明書の提出を求めるようにします。
「使用証明書」は、前の職場における情報を本人を通して公式に請求するもので、労働基準法では、本人から請求があった場合には、前職の会社は、次に掲げる基準によって使用証明書を交付しなければならないものと定めています。
(1)労働者が退職にあたって、使用期間、業務の種類、その事業における地位や賃金について証明書を請求した場合には、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
(2)(1)の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
(3)使用者は、あらがじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分もしくは労働組合運動に関する通信をし、または?の証明書に、秘密の記号を記入してはならない。
ところで、退職理由の照会が上記の(3)にあてはまる場合には、照会そのものが違法ですので、照会に応じる必要もないことになります。なお、使用証明書には、四項目、つまり使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金のうち本人が請求した事項だけを記載しなければならないとされていますが、退職理由などこの四項目以外の事項について、本人の請求に基づいて使用証明書に記載することは問題ありません。
しかし証明をする側は、四項目以外の事項については、本人の請求があっても拒むことができます。
カテゴリー:採用・雇用
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