派遣社員を1年間受け入れたのち、新たな労働者を雇用しようとするときには、派遣社員を優先して正社員として雇用しなければなりませんか?
派遣社員を1年間受け入れたのち、同一の業務に新たな労働者を雇用しようとするときで、その派遣社員が派遣先企業に直接雇用されることを望んだときは、正社員として雇用しなければならないと聞きましたが本当ですか。
上記「派遣社員を1年間受け入れたのち、新たな労働者を雇用しようとするときには、派遣社員を優先して正社員として雇用しなければなりませんか?」に対する回答
必ずしも正社員でなくても差し支えありませんが、直接雇用するよう努めなければなりません。
現行の労働者派遣法は、派遣対象業務を26の専門分野に限定しています(このように、認めるものだけをリスト化する考え方を「ポジティブ・リスト方式」という)が、第145国会で改正された労働者派遣法(以下「改正派遣法」という)では、
1.港湾運送の業務、
2.建設の業務、
3.警備の業務、
4.その他政令で定める業務
を除くすべての業務について労働者派遣が認められることになりました(このように、認めないものだけを限定的にリスト化しそれ以外は原則自由化する考え方を、「ネガティブ・リスト方式」という)。
改正派遣法では、派遣対象業務その他について規制を緩和する一方で、新たに対象業務とされたものについては、派遣期間を1年間に限定するなどの規制が加えられました。
これに違反して、同一の派遣労働者を同一の業務に従事させている場合で当該派遣労働者が希望するときには、労働大臣は、派遣先企業に対して当該労働者を直接雇用する旨の指導または助言をすることができることとされました。
さらに、派遣先企業がこの指導等に従わないときは、当該労働者を直接雇用するよう勧告がなされ、その勧告にも従わないときには、労働大臣はその旨を公表することができることとなっています。
また、派遣先事業者が、派遣労働者を1年間受け入れたのち、同一の業務について新たな労働者を雇用しようとするときで、その業務に1年間従事した派遣労働者が同一の業務について当該派遣先事業者に直接雇用されることを希望する場合には、派遣先事業者は、その派遣労働者を直接雇用するよう努めなければならないことになりました。
ただし、ここで派遣先企業に求められているのは"直接雇用"であり、必ずしも正社員として雇用することを求められているわけではありませんので、契約社員等として雇用するということでも差し支えありません。
なお、改正派遣法の施行時期その他詳細については、政令で決定されることとなっています。
カテゴリー:採用・雇用
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