パートタイマーの残業手当の支給を毎月10時間で頭打ちにしていますが、法的に問題がありますか?

 パートタイマーの残業が毎月20時間程度あるのですが、残業手当は毎月10時間で頭打ちとしています。

 法的に問題があるでしょうか?

上記「パートタイマーの残業手当の支給を毎月10時間で頭打ちにしていますが、法的に問題がありますか?」に対する回答

 法に基づいて計算した残業手当を、全額支払わなければなりません。

 労働基準法第32条第1項は、「休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない」と1週間の労働時間について定めるとともに、同第2項は、「休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない」と1日の労働時間の上限について定めています(これを「法定労働時間」といいます)。

 また、同法第37条第1項は、第32条に定める労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合には、「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ命令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と定めています。

 この規定は、雇用の形態の如何にかかわらず、たとえパートタイマーであっても、適用されます。

 しかし、パートタイマーの場合には、採用時に契約した時間(所定労働時間)が、週40時間、1日8時間より短いのが通例です。

 したがって、所定労働時間を超えて労働した時間、すなわち残業時間が前述の法定労働時間を超えない場合には、所定労働時間を超えた時間(残業した時間)について通常の賃金を支払えばよく、割増賃金を支払う必要はありませんが、法定労働時間を超えた場合には、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。

 いずれにしても、パートタイマーだからといって、所定労働時間を超えて働かせた場合に、残業代(の一部)を支払わないことは違法となります。

 したがって、前述のとおり、残業手当を10時間で頭打ちにすることは、法令違反ということになりますので、正しく残業手当を計算して支払うようにして下さい。

カテゴリー:パート・契約社員

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