退職する者の年次有給休暇の未消化分を買い上げる場合、どうすればよいですか
退職者や解雇された者の年次有給休暇の未消化分を会社側が買い上げる際に、買い上げ額はどのように算出すればよいのでしょうか?
買い上げ額の算出方法を教えてください。
上記「退職する者の年次有給休暇の未消化分を買い上げる場合、どうすればよいですか」に対する回答
年次有給休暇の買い上げ額の単価は任意の額として差し支えありません。
年次有給休暇を取得した場合に支払われる賃金に準じる額とする方法と、一定額とする方法があります。
年次有給休暇の未消化の日数は、退職や解雇によって消滅します。
この場合、消滅した年次有給休暇をどのように処理するかは、法律上の制限はなく、各会社の就業規則等で任意に定めることができます。
したがって、買い上げ額の単価も任意の額として構いません。
ところで、未消化の年次有給休暇を買い上げる際の買い上げ額の設定には、一般に、次の二つの方法があります。
(1)年次有給休暇を取得した場合に支払われる賃金に準じて買い上げ額を決める方法
年次有給休暇を取得した場合、「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」で支払うのが一般的です。これは、月給者であれば、月によって定められた賃金をその月の所定労働日数で除した金額としていますから、買い上げの場合にも、月によって定められた賃金をその月の所定労働日数で除して計算すればよいわけです。
しかし、前述のように、年次有給休暇は退職または解雇によって消滅するわけですから、実際の年次有給休暇取得時に支払われるときの賃金と同額である必要はなく、むしろ実際に取得した場合に支払われる賃金より低くしてもよいものと思われます。
例えば、月によって定められた賃金を『所定労働日数』ではなく、『暦日数』(もしくは30日)で除した金額とすれば、実際に年次有給休暇を取得した場合の賃金に比べて、7割程度の金額になります。
また、賃金が、基本給と諸手当で構成されている場合には、付加的給付である諸手当を除いて、基本給のみを暦日数で除して算出した額としてもよいでしょう。
(2)一定額とする場合
一定額とは、当該者の賃金にかかわらず、一律5000円とか7000円などの定額で買い上げる方法です。
しかし、一定額とする方法は、1日当たりの賃金が従業員によって異なることから、不公平感が残ることは否めません。
なお、この場合も同様に、実際に取得した場合に支払われる賃金よりも低い額に設定する方がよいでしょう。
カテゴリー:休日・休暇
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