海外赴任中の社員が退職した場合、帰国費用を会社が負担しなければなりませんか?
海外赴任中の社員が退職することになりましたが、当該社員から、帰国費用(引越し費用)を会社が負担してほしいといってきました。
この場合、会社が負担する義務があるのでしょうか。
上記「海外赴任中の社員が退職した場合、帰国費用を会社が負担しなければなりませんか?」に対する回答
海外赴任時の契約の如何によりますが、特段の定めがない場合には、帰国費用を会社が負担する義務はありません。
退職の時点で当事者間の話し合いで決めればよいでしょう。
グローバル時代といわれる近年、出向や駐在、派遣など様々な形態で従業員を海外に赴任させることが多くなっていますが、海外赴任に際しては、一般に、家族を帯同する場合にはそれにかかる費用を含めて赴任費用の一切(旅費や引越し費用など)を会社が負担しています。
しかも、現地の住宅の確保のための施策や赴任中の一時帰国制度などを設けている企業も少なくありません。
海外赴任は、国内転勤以上に精神的、物質的負担が大きいため、その補填をすることが必要だからです。
この場合、海外赴任期間が終了し、帰国するときは必要な費用を会社が負担するのが一般的です。
しかし、ご質問のように、海外での赴任中に社員が退職した場合には、一時帰国や赴任期間の終了による帰国とは事情が異なります。
海外赴任終了時に帰国費用を会社が負担するのは、赴任から帰国までの間、労働契約が継続していることを前提にしたものだからです。
したがって、海外赴任中に退職した場合には、帰国費用を会社が負担する義務はありません。
ただし、就業規則(海外出向規程や海外赴任規程等を含む)または労働協約等で、退職後の帰国費用を会社が負担する旨の特約がある場合にはそれによることになります。
ご質問では、本人から帰国費用の請求があったとのことですが、上記のような特約がない場合には話し合いで決めることになります。
その際、傷病にかかり療養のために退職したときとか、介護など家庭的な問題で本人の意思に反してやむなく退職し、帰国するような場合には、配慮が必要なものと考えられます。
その場合、もし、会社が負担することになったときは、全部を負担するのか一部を負担するのかなどについても話し合って決めるようにします。
カテゴリー:福利厚生
,カテゴリー:解雇・退職
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