海外に社員旅行をする場合、会社負担で旅行者(傷害)保険に加入しておくべきでしょうか?
今年は、社員旅行を海外にしたいと考えていますが、この場合、海外旅行中の万一の事故に備えて、会社負担で旅行者(傷害)保険に加入しておくべきでしょうか。
上記「海外に社員旅行をする場合、会社負担で旅行者(傷害)保険に加入しておくべきでしょうか?」に対する回答
海外では、気候や衛生・治安面などさまざまな点が日本と異なるため、思いがけない傷病や事故等に見舞われる可能性があります。
また、死亡等重大事故が起きた場合には遺族等に対して多額な補償が必要となりますので、旅行者(傷害)保険には加入しておかれる方がよいでしょう。
昨今では、社員旅行を廃止する企業が増える一方で、貴社のように海外への旅行を実施する企業も増えています。
行き先としては、韓国などの近隣国のほか、グアムやハワイなどのリゾート地に赴くケースも増えているようですが、これら日本人に馴染みのある観光地などでも、気候や衛生水準、また治安面その他さまざまな点が日本と異なるため、思いがけない病気や怪我または事故等に見舞われる可能性があります。
ところで、国内外を問わず社員旅行中の傷病は、原則として労災保険ではカバーされませんので、基本的に健康保険によることとなります。
健康保険の被保険者が海外で傷病にかかった場合には、現地の医療機関等でかかった治療費等の全額をいったん自己負担し、帰国後に所定の手続きをして、後日療養費の給付を受けることとなります。
療養費の給付申請は、社会保険事務所または健康保険組合に、現地の医療機関等でかかった治療費等の領収書、医師の証明書、またそれらの日本語訳等を添えて「療養費支給申請書」を提出して行います。
療養費の給付を申請したときの実際の支給額は、その決定日の為替レートによりますので、実際に支払った額(もともと2割の自己負担額がある)より少なくなることもあり、また、給付までに時間がかかるなどの不便さもあります。
したがって、海外旅行中の傷病にかかる医療費等を十分にカバーするには、民間の旅行者(傷害)保険等に加入するのが最も適切かつスタンダードな方法と考えられます。
さらに、社員旅行は、会社主催の行事として行われるものですので、旅行中に発生した事故等によって重大な後遺障害が残ったり死亡したりした場合などには、本人や遺族等に対して相当額の補償をしなければならない可能性があります。
これらのことを総合的に勘案しますと、海外への社員旅行を実施される場合には、旅行者(障害)保険には加入しておかれる方がよいでしょう。
保険内容(掛金等)にもよりますが、この保険に加入していれば海外旅行中の傷病にかかる医療費等は原則としてほぼ全額補償されますし、高度の後遺障害が残った場合や死亡した場合などにも、掛金に応じて相当額の補償がなされるからです。
また、旅行出発前に、加入する保険の内容等について社員に説明し、傷病や事故が発生した場合の補償内容等を理解させておくとよいでしょう。
カテゴリー:福利厚生
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