福利厚生施策を実施する目的と最近の動向について教えてください

 企業は、なぜ福利厚生施策を実施するのですか。

 福利厚生施策の目的と最近の動向について教えてください。

上記「福利厚生施策を実施する目的と最近の動向について教えてください」に対する回答

 福利厚生施策は、従業員の定着率の向上を第一義的な目的とするほか、健康の保持増進を図り、労働力の再生を容易にするという狙いもあります。

 また、最近の動向としては、各種メニューの中から従業員が自己の希望するプログラムを選択して活用する“カフェテリアプラン”の導入が進められています。

 福利厚生施策は、資本主義の生成期に熟練工の足留めの策として行われるようになったものですが、今日でも、従業員の定着率向上を第一義的な目的として、様々な施策が行われています。

 企業が行う福利厚生は、国や地方自治体が行う社会福祉と対比して“企業福祉”といわれることもありますが、今日の福利厚生施策は、賃金などの基本的な労働条件に付加する付加給付(フリンジ・ベネフィット)として行われており、単に定着率の向上という目的だけでなく、健康の保持増進を図り、労働力の再生を容易にするという目的もあります。

 しかし、福利厚生施策のもつ意味も時代の流れとともに少しずつ変化してきています。

 例えば、レジャーとしての個人旅行があまり一般的に行われていなかった頃(昭和40年代)には、“慰安旅行”などに代表される福利厚生施策は、従業員にも大変喜ばれ大きな意義がありましたが、所得水準の上昇や余暇時間の拡大などを背景に国内外を問わず個人旅行が盛んに行われるようになった近年では、従業員(特に若い世代)から敬遠すらされるようになりました。

 また、従来、大企業などを中心に、社宅や独身寮、保養所やレク施設、社員食堂などを自社で所有、運営する重厚重大型の福利厚生施策が多く見られましたが、昨今では、社宅や寮は借上げ型に、保養所等は外部との契約型にと福利厚生施設の持ち方も変化してきています。

 このような変化の中、最近、“カフェテリアプラン”とよばれる福利厚生制度(の管理・運用プラン)が、少しずつ普及し始めています。

 カフェテリアプランとは、勤続年数や資格、役職などに応じて従業員に毎年一定量の利用権(クレジット)を付与し、そのクレジットの範囲内で、企業が準備した各種福利厚生メニューの中から、従業員が自ら希望するプログラムを選択して活用するという制度です。カフェテリアプランは、画一的(見方を変えるとある意味で「押し付け的」)な従来型の福利厚生制度に比べ、従業員一人ひとりのニーズに応じたサービスが提供できるという点や、年度ごとに全従業員に付与するクレジットポイントを管理することによって、福利厚生費の管理が容易に行えるなどのメリットがあります。

カテゴリー:福利厚生

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