マイカーで出先から帰宅途上に車が故障したときは、その修繕費用は会社が負担しなければなりませんか?

 社員個人の保有する車で出先から帰宅する途中に、高速道路上でエンジントラブルが起きたため、レッカー移動し、修理しましたが、諸費用が30万円もかかってしまいました。

 この場合、全額会社が負担しなければならないのでしょうか。

上記「マイカーで出先から帰宅途上に車が故障したときは、その修繕費用は会社が負担しなければなりませんか?」に対する回答

 マイカーで出先から帰宅途上の故障ということですので、明らかに業務上の使用中の故障になり、会社の負担責任を免れることはできません。

 しかし、マイカーということですので、社有車と異なって、車の整備責任は本人にあります。

 したがって、日頃からの整備の状況などによっては、費用のうち過失相殺がありうるものと思われます。
 本人ともよく話し合って負担割合を決めるようにして下さい。

 従業員のマイカー使用には、
1.通勤のみに使用するケース、
2.通勤および業務に使用するケースの二通りがありますが、

 1のケースで通勤途上に車両が故障した場合には、その際の修理代について会社が負担すべき理由はありません。

 しかし、2のケースでは事情が違ってきます。

 社員が業務で車両を使用しているときに交通事故等で第三者に何らかの損害を与えてしまったときには、その車両が社員個人の所有物であっても、指揮命令者である使用者、すなわち会社にも賠償責任が及ぶからです。

 そこで、社員の個人所有の車両を業務に使用させるときには、一定水準以上の任意保険に加入させることをはじめ、車両の整備点検にも十分な措置を講じる責任が会社にもあります。

 ただし、任意保険の保険料や、車両の自主定期点検費用、また車両故障時の修理費用などについて、その全額を会社が負担しなければならないということはありません。

 いうまでもなく、当該社員は、通勤や業務以外のプライベートでも車両を使用していますので、社有車と異なって車両の整備管理は基本的には本人の責任において実施すべきものだからです。

 ご質問では、「出先から帰宅する途中に・・・」ということですので、マイカーの業務使用を認めていたことになります。

 したがって、一定の範囲内で会社の責任もあるとは思われますが、車両の故障というということですので、会社が日頃から必要な措置を講じていた程度と実際の車両の整備状況や故障時の状況等を十分勘案したうえで、よく話し合って負担割合を決めるようにして下さい。

 なお、この度のように、予想外の故障が生じた場合の費用負担は別として、任意保険の保険料や定期点検費用等については、あらかじめ本人と会社の負担割合(負担額)を明かにしておくとともに、特に、業務で車両を使用する場合の直前点検の履行等について、指導を徹底しておくことが大切です。

カテゴリー:懲戒・トラブル

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