賞与からも減給の制裁を行うことはできますか?
当社ではこれまで、社員の服務規律違反等に対する減給の制裁を月例給与から行ってきましたが、今後、賞与からも行うようにしたいと思っています。
可能でしょうか。
上記「賞与からも減給の制裁を行うことはできますか?」に対する回答
賞与から減給の制裁を行うことは可能です。
しかし、一つの制裁事案について、月例給与と賞与の両方から減給することはできません。
賞与から減給の制裁を行うことは可能です。ただし、減給の制裁を行う場合には、1事案に対する減給額は平均賃金の1日分の半額、減給総額は一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならないという上限が設けられていますので、賞与算定対象期間等の支給条件が明確に定められていることが必要となります。
算定期間が定められていなければ、“一賃金支払期”が確定されないからです。
賞与から減給の制裁を行う場合には、上記のように、減給の総額は賞与総額の10分の1を超えることはできませんので、賞与の算定対象期間(一般的には6ヵ月)に発生した複数事案に対する減給総額は、賞与総額の10分の1を超えることはできません。
また、減給の制裁を“賞与”から行う場合にも、1事案についての減給額は平均賃金の1日分の半額を超えることができないことに注意が必要です。
さらに、賞与から減給の制裁を行うこととするときは、賞与と月例給与の両方から減給することはできないことにも注意が必要です。
一つの制裁事案について、二重に制裁を行うことはできないからです。
ただし、月例給与から遅刻、早退等の不就労時間相当分の賃金を控除し、制裁分を賞与から控除することは差し支えありません。
この場合の月例給与からの控除は、不就労時間の賃金を控除するもので、減給の制裁には当たらないからです。
なお、賞与から減給の制裁を行うためには、減給の制裁を賞与から行う旨就業規則の定めをしておかなければなりません。
“制裁”は、就業規則の「相対的必要記載事項」であり、その種類や程度、それぞれの事由などを明確に定めていなければ、実施することができないからです。
カテゴリー:賃金・賞与
アクセスランキングトップ10
次には、アクセスの多いQ&A記事のトップ10を表示しています。
- (現在集計中)