派遣契約を契約期間の途中で解除することができますか?

 派遣社員の能力が期待していた水準と大きな隔たりがある場合、派遣契約を契約期間の途中でも解除することができますか。

上記「派遣契約を契約期間の途中で解除することができますか?」に対する回答

 契約解除までに十分な猶予期間を設けるとともに、派遣契約の契約解除の定めに則って解除するようにします。

 派遣労働者の雇用契約関係は、派遣元企業(以下「派遣元」という)と派遣社員が労働契約を結び、派遣先企業(以下「派遣先」という)と派遣元が派遣契約を結ぶという形をとります。

 したがって、派遣社員が実際に指揮・命令を受けて労務を提供するのは、派遣先ですが、雇用関係は、あくまで派遣元との間にあります。

 そのため、派遣先は、派遣社員が自社の従業員ではないということで、簡単に別の者に交替させたり、いつでも契約を解除できるものと考えがちです。

 しかし、労働者派遣法は、「労働者派遣の役務の提供を受ける者」(派遣先のこと)「は、派遣労働者の国籍、身上、性別、社会的身分、派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等を理由として、労働者派遣契約を解除してはならない」と派遣先がこのような理由によって派遣契約を一方的に解除することを禁じています。

 ところで、労働者派遣法に基づいて定められた「指針」では、派遣先が講ずる措置の一つとして、「労働者派遣契約の順守」をあげており、具体的には、派遣契約の締結に当たっては、就業条件を確認すること、やむを得ず派遣契約を途中で解除する場合には、事前に相当の猶予期間をもって派遣元に申し入れることなどをあげています。

 したがって、業務の都合等のやむを得ない事由によって契約解除をする場合にも、十分な猶予期間をもって解除することが必要です。

 なお、長期に派遣契約を予定している場合、その派遣社員の能力が期待する水準でない場合には、派遣元と協議して別の派遣社員に代替えしてもらうことは可能です。

 なぜなら、派遣先があらかじめ派遣社員に面接などを行って、その採否を決定する権利はないからです。

 しかし、上記のように、派遣契約を契約期間中に解除する場合には、「十分な猶予期間」を設けて通知し、派遣先企業とよく協議することが大切です。

カテゴリー:派遣

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