スウェーデンの年金事情

スウェーデン年金制度概要

 スウェーデンは1914年に世界で初めて「社会保険制度に基づく皆年金制度」を実現した国です。1999年改革が行なわれるまでの時代背景は以下のようすになっています。


1)人口高齢化及び年金給付費の増加
 将来における年金給付費は、人口の高齢化とともに増大することが予想されていた。1994年に行われた人口推計では、スウェーデンの高齢化率(65歳以上人口割合)は、1990年以降2005年頃までは一時的に微減傾向を見せるが、その後上昇に転じ、ピーク時となる2035年から2040年には22.4%に達するものと予想されていた。

(2)経済の低成長
 旧制度では既裁定年金について物価スライドが行われていたが、90年代初めに経済成長率が低下する中、それを超える物価スライドが要請される結果となり、年金財政の悪化が強く懸念された。

(3)付加年金額計算方法(15年ルール・30年ルール)の不公平
 旧制度では、生涯の最も所得の高かった15年間を年金額計算の基礎としていたため、生涯に獲得した所得総額が同じ場合でも人によって年金額が大幅に異なるといった事態(生涯における所得上昇率が大きかった者ほど年金額が大きくなる傾向)が生じたり、30年加入で満額年金が受給できるルールがあるために、30年を超えて働いても、保険料を徴収されるだけで、老後の年金額が増加しないといった事態が生じたりする等、社会的な不公平が問題とされていた。
このように日本と同じような悩みを抱えていましたが、1999年改革と呼ばれる大幅な年金制度改革により現在は年金制度として高い評価を得ています。

【保険料】
給料の18.5%(労使折半)

【財源の国庫負担】
保障年金部分は全額国庫負担
所得比例部分は国庫負担なし

【支給開始年齢と必要最低保険料納付期間】
支給開始年齢 65歳
保険料納付要件 居住3年

【適用対象者】
スウェーデンの社会保険法の対象者
(国内に居住又は就労している者。ただし、一定の所得があることが必要。)

【年金額】
保障年金+所得比例部分
平均年金額
 保障部分 391,200円
 所得比例部分 852,000円

2006年06月04日

カテゴリー:海外の年金状況


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