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社会保険労務士の試験制度

 社会保険労務士については、「社会保険労務士とは」で言及しておりますが、試験制度等も含めて、もう少し記述いたします。

 社会保険労務士は企業の労働環境をチェック・改善する人間だと思っていただければよろしいかと思います。

事業主に代わり社会保険手続き

 社会保険労務士とは、労働・社会保険業務のスペシャリストである。

 社会保険には、健康保険、雇用保険、厚生年金保険、労災保険などさまざまあり、仕組みもきわめて複雑で、労働・社会保険関係の法律の知識が必要。

 そのため、自らも働く中小企業の事業主は、労働・社会保険の申請など、種々の届け出や手続きを専門家に頼むほうが便利である。

 そこで社会保険労務士の出番である。事業主に代わって労働基準監督署や社会保険事務所など関係行政機関に提出する申請書や報告書・帳簿などを作成し、提出手続きを代行したり、社会保険に関する相談、指導を行う。

 最近では、社会保険労務士の仕事も顧問先事業所の労働時間や賃金、採用、配置、就業規則の作成など、労務全般にわたるコンサルタントとしての役割も高まってきている。

福利厚生面での幅広い業務を担当

 以下に社会保険労務士のおもな業務をあげる。

  1. 健康保険の加入・給付などの手続業務
  2. 労災保険の加入・給付などの手続業務
  3. 雇用保険の加入・給付などの手続業務
  4. 厚生年金給付手続業務
  5. 従業員の募集と労働契約についての相談・指導業務
  6. 賃金管理についての相談・指導業務
  7. 労働時間管理についての相談・指導業務
  8. 労働安全・衛生についての相談・指導業務
  9. 就業規則、給与規定など諸規定の相談・指導業務
  10. 企業内教育についての相談・指導業務
  11. 人事考課・人事管理についての相談・指導業務

業務についての関係法令は約50も

 社会保険労務士の業務は、社会保険労務士法(昭和43年制定)で次のように定められている。

 労働社会保険諸法令に基づいて行政機関などに提出する申請書、届出書、報告書、その他の書類を作成すること。

 申請書などについて、その提出に関する手続きを代わってすること。

 労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告その他の事項について、または申請などに関わる行政機関などの調査もしくは処分に関し、行政機関などに対する主張あるいは陳述について代理を行うこと(事務代理)。

 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類を作成すること。

 事業における労務管理、その他の労働に関する事項及び社会保険に関する事項について相談に応ずる、または同関連事項について指導すること。

こうした業務を適切に行うには、

 労働基準法 労働者災害補償保険法 労働安全衛生法 雇用保険法 健康保険法 厚生年金保険法 国民健康保険法 国民年金法 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 男女雇用機会均等法 職業安定法 最低賃金法 職業能力開発促進法 障害者雇用促進法 高齢者雇用安定法 港湾労働法 船員保険法など、50種を超える法令の知識が必要だ。

雇用構造の変化で存在感アップ

 週休2日制の普及や有給休暇の増加、育児休暇制度など、日本の労働環境も改善されてきているが、まだまだ解決されなければならない問題が山積している。

 特に多くの中小企業の場合は、経営面の厳しさから労務管理面の整備が停滞しがちで、企業活動にも大きな影響を及ぼしかねず、そうした事態を防ぐためにも事業主側は有能な社会保険労務士を求めている。

 登録者は平成19年9月現在で31,681名(=個人会員数。法人会員数は247法人)にのぼっている。

 開業するには、試験合格後、全国社会保険労務士会連合会に登録(実務経験2年以上。もしくは全国社会保険労務士会連合会が実施する講習を受ける)し、都道府県社会保険労務士会へ入会しなければならない。

 最近は、コンピュータの普及によって社会保険に関する手続き自体はかなり簡略化され、むしろ、女性や高齢者の雇用問題や自由労働時間制の導入などで、ますます複雑化する労務管理の中で相談業務のウエートが増している。

 個人の相談も増え、賃金や残業手当ての未払い、理由のはっきりしない解雇、セクハラの被害など、本人に代わって事業主に改善を求める。また、年金や労災の給付の申請も代行する。

 中小企業のサポーターと思われている社会保険労務士だが、個人にも、なじみの深い存在になりつつある。

事業主に代わり社会保険手続き

 国家試験である社会保険労務士試験について概観してみます。

試験内容は関連法規の理解で基本を問う出題

 受験申込者数は平成19年度で約59,000人。合格率は、毎年9%前後と厳しい。

 試験は8科目について、択一式と選択式の混合形式で実施される。
 国家試験としては、出題は各種社会保険及び労務管理の基本を問うものが多く、クセのある問題は少ない。

受験資格

 次のいずれかに該当する者。大学の一般教養科目の修了者。

  • 短大、高等専門学校の卒業者。
  • 修業年限が2年以上で、かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者。
     またはそれと同等以上の能力を有する者。
  • 大学(短大は除く)で62単位以上で修得した者。
  • 旧制高等学校高等科、同大学予科、同専門学校を卒業、修了した者。
  • 司法試験予備試験、旧法規定による司法試験の第1次試験、旧司法試験の第1次試験または高等予備試験の合格者。
  • 労働社会保険諸法令に基づいて設立された法人の役員または従業員として、同法令の実施事務に通算3年以上従事した者。
  • 行政書士の資格を有する者。
  • 社会保険労務士もしくは社会保険労務士法人または弁護士もしくは弁護士法人の業務補助の事務従事者(通算3年以上)。
  • 公務員及び行政事務及び特定独立行政法人または日本郵政公社の役員または職員として行政事務に相当する事務に通算3年以上従事した者、労働組合の専従役員または会社の労務担当役員として通算3年以上従事した者。
  • 会社や労働組合で労働社会保険諸法令関係の事務従事者(従事期間3年以上)など。

試験科目

  1. 労働基準法及び労働安全衛生法
  2. 労働者災害補償保険法
  3. 雇用保険法
  4. 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
  5. 健康保険法
  6. 国民年金法
  7. 厚生年金保険法
  8. 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識

試験日は8月下旬

試験地
 北海道、宮城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、香川、福岡、熊本、沖縄

2013年04月16日最終更新

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