文書の過去の版を表示しています。


目次

第4章 労働時間・休憩時間・休日・休暇

第1節 労働時間・休日

第2節 休暇

第3節 母性健康管理

  • 第40条 産前産後休業
  • 第41条 妊産婦の労働時間
  • 第42条 育児時間
  • 第43条 母性健康管理休暇等〈作成のポイント27〉
  • 第44条 生理休暇

<本章の規定>

 この章は、労働時間、休憩時間、休日及び休暇に関する事項を定めています。これらはすべて絶対的必要記載事項であり、就業規則においては、賃金に関する事項にならび最も重要な労働条件に当たる部分といっても過言ではありません。業種や企業規模等により、それぞれの企業における特徴が現れる部分でもあり、その内容は企業により様々です。

作成のポイント●14 労働時間

【規定例】

  • 第26条(労働時間)
    • 労働時間は、1週間につき40時間、1日については8時間とする。
    • 2 始業及び終業の時刻は次のとおりとする。
      • 始業時刻 9:00
      • 終業時刻 18:00

1.労働時間の意味

 労働時間は、休憩時間を除き、始業時刻から終業時刻までの時間のことをいい、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」です。「指揮命令下にある」とは、実作業をしている時間だけでなく、指示があったときにいつでも対応することができる手待ち時間も労働時間に含まれます。

2.始業及び終業の時刻

 労働時間については、始業及び終業の時刻を規定することが就業規則上の絶対的必要記載事項です。よって「労働時間は、1週間につき40時間、1日については8時間とする。」という規定だけでは要件を満たしていません。なお、始業及び終業の時刻は、全社員一律である必要はなく、所属部署や職種等により異なる場合は、その全てを規定しなければなりません。

3.労働時間の把握義務

 事業主は、労働者の始業及び終業時刻に関して把握義務があり、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」のなかで次のとおり具体的な方法が規定されています。

  • ①始業・終業時刻の確認及び記録
    • 使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること
  • ②始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
    • 使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること
      • ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること
      • イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること
  • ③自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
    • 上記②の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずること
      • ア 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと
      • イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること
      • ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること
  • ④労働時間の記録に関する書類の保存
    • 労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存すること
  • ⑤労働時間を管理する者の職務
    • 事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること
  • ⑥労働時間等設定改善委員会等の活用
    • 事業場の労働時間管理の状況を踏まえ、必要に応じ労働時間等設定改善委員会等の労使協議組織を活用し、労働時間管理の現状を把握の上、労働時間管理上の問題点及びその解消策等の検討を行うこと

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第32条(労働時間)原則的な労働時間(法定労働時間)
  • 平成13.4.6基発339号(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準)

作成のポイント●15 始業・終業時刻・休憩時刻の変更

【規定例】

  • 第27条(始業・終業時刻・休憩時刻の変更)
    • 会社は、業務上やむを得ない場合に、前条に規定した始業及び終業の時刻を繰り上げもしくは繰り下げることがある。

1.業務命令としての始業及び終業の時刻の変更

 始業及び終業の時刻を変更するということは、連続性はなかったとしても、その日ごとに労働契約の内容が変更されることであり、就業規則に規定することにより業務命令としての変更権にあらかじめ同意を得ておく必要があります。

作成のポイント●16 1箇月単位の変形労働時間制

【規定例】

  • 第29条(1箇月単位の変形労働時間制)
    • 会社は従業員に対し、毎月1日を起算日とした1箇月単位の変形労働時間制を採用し、労働時間は、休憩時間を除き、変形期間を平均して1週間40時間以内とする。なお、始業、終業の時刻及び休憩時間は次のとおりとし、勤務時間と休日との組み合わせは、原則として起算日の1週間前までにシフト表を作成し、周知する。
      • ① シフト1(実働8時間)
        • 始業時刻   10:00
        • 終業時刻   19:00
        • 休憩時間   14:00~15:00(60分)
      • ② シフト2(実働6時間)        
        • 始業時刻   17:15
        • 終業時刻   24:00
        • 休憩時間   19:00~19:20(20分)/22:00~22:25(25分)
      • ③ シフト3(実働時間10時間)
        • 始業時刻   13:00
        • 終業時刻   24:00
        • 休憩時間   17:00~18:00(60分)

1.1箇月単位の変形労働時間制

 1箇月単位の変形労働時間制とは、業務の繁閑や特殊性により1箇月サイクルで労働時間を柔軟に取り扱うことができる制度であり、労使協定または就業規則その他これに準ずるものにより1箇月以内の一定期間を平均し1週間当たりの労働時間が法定労働時間(原則40時間)を超えない定めをした場合に、特定された週または特定された日において法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。

2.労働時間の特定

 1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、変形期間を平均し1週間につき法定労働時間(原則40時間)の範囲内であったとしても、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度であってはなりません。また絶対的必要記載事項として「始業及び終業の時刻」は必ず就業規則に定めなければならなく、「規定例」のように交替制(シフト)勤務等による勤務形態の特徴がある飲食業や警備業などの場合には、就業規則内において各日、各週の労働時間が就業規則上で特定できなくても、「始業、終業の時刻等は、就業規則においてできる限り具体的に特定すべきものであるが、業務の実態から月ごとに勤務割を作成する必要がある場合には、就業規則において各直勤務の始業終業の時刻、各直勤務の組み合わせの考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定めておき、それにしたがって各日ごとの勤務割は、変形期間の開始前までに具体的に特定することで足りる」(昭和63.3.14基発150号)という通達があり、勤務割(シフト)表確定をもって労働時間を特定したことになります。

3.労使協定または就業規則その他これに準ずるもの

 1箇月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるものにその内容を定めた場合は労使協定の締結義務はありません。反対に就業規則ではその内容を規定せずに労使協定で定めることもできるということです。ただし、後者の場合、労使協定を締結しただけでは労働条件として就労を義務づける根拠にはならなく、この場合であっても就業規則には「労使協定に基づき1箇月単位の変形労働時間制で労働させることがある」と規定することや「始業及び終業の時刻」を規定することは必要です。なお、労使協定により導入する場合は、所轄の労働基準監督署長にその労使協定を届け出なければなりません。

 「その他これに準ずるもの」とは、就業規則作成義務のない常時10人以上の労働者を使用していない場合に認められるものであり、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、必ず就業規則に定めなければなりません。

4.割増賃金との関係(法定労働時間を40時間として説明)

 1箇月単位の変形労働時間制を採用した場合の割増賃金の算定方法は通常とは異なり、次の時間が割増賃金の支払対象になります。

  • ①1日について
    • ・8時間を超える時間を定めた日は、その時間を超えて労働させた時間
    • ・上記以外の日は、8時間を超えて労働させた時間
  • ②1週間について
    • ・40時間を超える時間を定めた週は、その時間を超えて労働させた時間
    • ・上記以外の週は、40時間を超えて労働させた時間(1日について時間外労働になる時間を除く)
  • ③変形期間(1箇月以内)について
    • ・変形期間における法定労働時間の総枠(法定労働時間×対象期間の暦日数÷7)を超えて労働させた時間(1日及び1週間について時間外労働になる時間を除く)

<※1箇月の法定労働時間の総枠の算出方法>

  • 法定労働時間(40時間)×変形期間の暦日数(1箇月以内)÷7

<上記の算式による1箇月の法定労働時間の総枠>

1箇月の暦日数労働時間の総枠
31日177.1時間
30日171.4時間
29日165.7時間
28日160.0時間

5.その他の検討事項

  • ・労使協定の締結当事者である労働者代表の要件を規定すると、労使協定の意味がとても明確になり望ましいでしょう。
  • ・派遣労働者に1箇月単位の変形労働時間制を適用する場合は、派遣元の就業規則で定めることを要し、労使協定による導入の場合は派遣元にて締結しなければなりません。
  • ・ここでは、労働時間に関する規定例を記載しておりますが、「休日」の条項と整合させることも重要です。

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第32条の2(1箇月単位の変形労働時間制)
  • 昭和63.3.14基発150号(労働時間特定の程度)
  • 平成11.1.29基発45号(労使協定による1箇月単位の変形労働時間制の導入)

作成のポイント●17 1年単位の変形労働時間制

【規定例】

  • 第29条(1年単位の変形労働時間制)
    • 会社は従業員に対し、1月1日を起算日とした1年単位の変形労働時間制を採用し、労働時間は、休憩時間を除き、変形期間を平均して1週間40時間以内とする。なお、始業、終業の時刻及び休憩時間は次のとおりとする。
      • 始業時刻  9:00
      • 終業時刻  17:30
      • 休憩時間  正午から1時間
    • 2 前項に基づく1年単位の変形労働時間制は、法令で定められている事項について、労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長へ届け出るものとする。

1.1年単位の変形労働時間制

 1年単位の変形労働時間制は、前述した1箇月単位の変形労働時間制における変形期間を「1年以内」とするものであり、1年以内の一定期間について、繁忙時期においては労働時間を長く設定し、反対に閑散時期に労働時間を短くすることによって効率的に労働時間を配分する制度です。この制度を導入するには、就業規則にその旨を定めなければならなく、さらには労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

2.労使協定の内容

 労使協定における締結項目は次のとおりです。

  • ①対象となる労働者の範囲
  • ②対象期間(1箇月を超え1年以内の期間に限る)
  • ③特定期間(対象期間中の特に業務繁忙な期間)
  • ④対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を1箇月以上の期間ごとに区分する場合は最初の期間のみ特定し、それ以外の期間は、各期間の労働日数及び総労働時間)
  • ⑤対象期間の起算日、有効期間

3.限度日数

 対象期間が3箇月を超える場合には、その対象期間中における労働日数に限度があり、1年当たり280日を原則とします。ただし、3箇月を超える対象期間の変形労働時間制を導入している場合において、前年度も3箇月を超える期間を対象期間とする労使協定があったときは、旧労使協定の1日または1週間の労働時間よりも新労使協定の労働時間を長く定め、かつ長く設定した新労使協定における労働時間が、1日につき9時間及び1週間について48時間を超える場合は、1年間の労働日数を280日または旧労使協定の労働日数から1日を減じた日数のうちいずれか少ない日数としなければなりません。

4.限度時間

 1年単位の変形労働時間制には1日及び1週の労働時間の限度が定められています。1日について10時間(隔日勤務のタクシー運転者の1日の限度時間は16時間)、1週間について52時間が原則です。ただし、対象期間が3箇月を超える場合は、この限度時間を設定できる範囲に次の制限があります。(積雪地域における建設業の屋外労働者はこの制限なし)

  • ①対象期間中に1週48時間を超える労働時間を定めるのは連続3週間以内とすること
  • ②対象期間を初日から3箇月ごとに区切った各期間(3箇月未満の期間がある場合にはその期間)において、週48時間を超える労働時間を定める週の初日の数が3以内であること

5.連続労働日数と特定期間

 1年単位の変形労働時間制は、連続労働日数に関する制限があり、最長6日までしか労働させることができません。ただし、「特定期間」を定めることにより1週間につき1日の休日が確保できる日数(連続で最大12日)まで労働させることができます。 特定期間は、通達により次のとおり解釈されています。「対象期間中の特に業務が繁忙な期間について設定することができるとする法の趣旨に沿った期間にすることが必要であり、対象期間中の相当部分を特定期間とすることはこの趣旨に反するものである。 具体的な設定にあたっては、業務の実情に即して上記の趣旨をふまえた上で、労使が十分に話し合って決めるべきものである。また、対象期間中の複数の期間を特定期間として定めることは可能である」(平成11.3.31基発169号)

6.途中採用者等の割増賃金

 1年単位の変形労働時間制における割増賃金の考え方は、前述した1箇月単位の変形労働時間と同様の考え方をします。1日、1週間及び対象期間(1年以内の期間)の法定時間外労働を計算することにより算出しなければなりません。 なお、対象期間の途中に採用された者や途中退職者、もしくは途中転勤等により1年単位の変形労働時間制の対象(または対象外)になった場合などは、割増賃金の清算をしなければなりません。 清算をする時期は、途中採用者の場合は、対象期間が終了した時点、途中退職者の場合は退職した時点になります。

7.その他の検討事項

  • ・派遣労働者に1年単位の変形労働時間制を適用する場合は、派遣元の就業規則で定めることを要し、労使協定の締結および届出は派遣元にて締結しなければなりません。
  • ・1箇月単位の変形労働時間制同様に、「休日」の条項と整合させなければなりません。1年単位の変形労働時間制については年間休日カレンダーを使用して休日を特定していくケースが望ましいでしょう。

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第32条の4(1年単位の変形労働時間制)
  • 平成6.1.4基発1号、平成11.3.31基発168号(対象労働者の範囲、労働時間の特定)
  • 平成6.5.31基発330号(就業規則への記載)
  • 平成11.3.31基発169号(特定期間)

作成のポイント●18 フレックスタイム制

【規定例】

  • 第29条(フレックスタイム制)
    • 会社は従業員のうち○○部に所属する者に対して、フレックスタイム制を採用し、始業及び終業の時刻をその従業員の決定にゆだねるものとする。
    • 2 前項に基づくフレックスタイム制は、法令で定められている事項について、労使協定を締結するものとする。

1.フレックスタイム制

 フレックスタイム制とは、1箇月以内の一定期間(清算期間)の総労働時間を定めておき、労働者がその範囲内において労働日における労働時間を自らが決定し、生活と業務の調和を図りながら効率的に働くという制度です。この制度を導入するには、就業規則その他これに準ずるものにおいて、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨を定めなければならなく、さらには労使協定を締結しなければならないのですが、この労使協定は締結義務のみ課されていて、届出義務はありません。

2.労使協定の内容

 労使協定における締結項目は次のとおりです。

  • ①対象となる労働者の範囲
  • ②清算期間(1箇月以内の期間に限る)
  • ③清算期間における起算日
  • ④清算期間における総労働時間
  • ⑤標準となる1日の労働時間
  • ⑥コアタイム及びフレキシブルタイム(定めがある場合にのみ必要)

3.清算期間

 清算期間とは、フレックスタイム制において労働者が労働すべき時間を定める期間のことをいい、1箇月以内の期間でなければなりません。なお、この期間の総労働時間を定めるということは、清算期間における所定労働時間を定めるという意味であり、清算期間を平均し1週間の労働時間が法定労働時間の範囲内となるように定めなければなりません。

4.標準となる1日の労働時間

 標準となる1日の労働時間は、清算期間における総労働時間を、その期間の所定労働日数で除して求めます。 これは、年次有給休暇を取得した場合に労働したものとみなす1日の労働時間にあたります。

5.コアタイム及びフレキシブルタイム

 コアタイムとは、1日のうちで必ず労働しなければならない時間帯のことをいい、フレキシブルタイムは、労働者が自らの選択により労働する時間帯をいいます。これらは、定めがある場合に限り労使協定において定める事項です。

6.休憩時間

 休憩時間は、労働基準法上の原則どおりに考えなければなりません。フレックスタイム制における休憩時間に関して通達には次のとおり解釈されています。「一斉休憩が必要な場合には、コアタイム中に休憩時間を設定するよう指導すること。一斉休憩の必要ない事業において、休憩時間を取る時間帯を労働者にゆだねる場合には、各日の休憩時間の長さを定め、それを取る時間帯は労働者にゆだねる旨記載しておけばよい。」(昭和63.3.14基発150号)

7.その他の検討事項

  • ・フレックスタイム制を導入した場合の時間外手当や休日手当、深夜勤務手当の支給計算方法等について賃金規程に規定しなければなりません。
  • ・労働時間の過不足と時間外手当等の取り扱いを賃金規程に規定すべきです。
  • ・派遣労働者にフレックスタイム制を適用する場合は、派遣元の就業規則で定めることを要し、労使協定も派遣元にて締結しなければなりません。

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第32条の3(フレックスタイム制)
  • 昭和63.3.14基発150号(休憩時間の設定)
  • 平成9.3.31基発228号(フレックスタイム制における時間外労働となる時間の計算方法)
  • 昭和63.1.1基発1号(労働時間の過不足の繰越)

作成のポイント●19 交替制勤務

【規定例】

  • 第29条(交替制勤務)
    • 会社は、第26条(労働時間)の規定にかかわらず、○○部門においては次のとおり交替制勤務させるものとする。
    • 2 交替制勤務を命じた場合の始業、終業の時刻及び休憩時間は次のとおりとする。
      • (早番)
        • 始業  6:00
        • 終業  15:00
        • 休憩  正午から1時間
      • (遅番)
        • 始業  14:30
        • 終業  23:30
        • 休憩  18:00から1時間
    • 3 交替制勤務の勤務割については、毎月1日を起算日とし、その前月末日までに確定させるものとする。

1.交替制勤務

 交替制勤務は、例えば飲食業などのサービス業では、店舗営業時間が長時間であることなどの理由により、「早番」と「遅番」に分類して、その組み合わせに基づく交替制勤務を実施しています。交替制勤務を実施する場合、「労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては、就業時転換に関する事項」(労基法第89条)が就業規則の絶対的必要記載事項であるため、どのような内容で交替制勤務を実施していくか就業規則に定めなければなりません。なお、ここでは労働時間に関する部分の規定例にすぎませんが、休日については、毎週土曜日及び日曜日などと表現できないことがあり、注意が必要です。

2.その他の検討事項

  • ・交替制勤務と1箇月単位の変形労働時間制を組み合わせる手法が有効活用されています。
  • ・交替制勤務を導入し、2暦日にまたがる勤務が生じる場合の労働時間及び休日の考え方に注意ください。

作成のポイント●20 事業場外みなし労働

【規定例】

  • 第30条(事業場外みなし労働)
    • 従業員が、外勤、直帰、出張など就業時間の全部または一部について事業場外で勤務する場合に、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間を勤務したものとみなす。ただし、所属長があらかじめ別段の指示を出した場合はこの限りではない。

1.事業場外労働みなし労働時間制

 事業場外労働みなし労働時間制は、次の3つの考え方をします。

  • ①労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす
  • ②当該業務遂行のためには、通常所定労働時間を超えて労働することが必要である場合は、その業務遂行に通常必要とされる時間
  • ③②の場合で、労使協定が締結されている場合はその協定により、当該業務遂行に通常必要とされる時間労働基準法上の原則は、上記の①であり、この場合、労働時間の一部について事業場内で業務に従事したとしても、当該事業場内における労働を含めて、所定労働時間労働したものとみなすことができます。ただし、②及び③の場合は、「通常必要とされる時間」が事業場外におけるみなし部分であり、一部事業場内における労働をした場合には、その時間をみなすことはできなく、両者を合計した時間が労働時間となります。

2.労使協定

 事業場外労働みなし労働時間制における労使協定は、締結義務が課されているものではありませんが、労使協定を締結した場合はその内容に基づくというものです。なお、締結した労使協定における「当該業務遂行に通常必要とされる時間」が法定労働時間を超えている場合は、所轄の労働基準監督署長へ届ける義務があり、この届出に関して、時間外労働に関する労使協定(36協定)に付記する形で届け出ることも可能です。(この場合の36協定は、様式第9号の2を使用)

3.在宅勤務とみなし労働時間制

 最近ではインターネットや情報処理技術の革新により、職場環境や就業形態等についても大きく変化し、自宅等において仕事、作業を行うことが可能な世の中になりつつあります。確かに在宅で仕事をするというのは、勤務時間と日常生活時間が混在します。また、仕事の進捗状況などを評価しづらいといった問題点もありますが、会社と従業員は労働契約を結ぶうえで「事業場外労働のみなし労働時間制」を適用することができます。(平成16.3.5基発0305001号) この場合は、在宅勤務について所定労働時間労働したものとみなすことが原則であり、考え方は前述1.と同様です。

4.その他の検討事項

  • ・事業場外労働みなし労働時間制は、法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間について適用するため、法第6章に規定する年少者や法第6章の2に規定する妊産婦等には適用することができません。(労基則第24条の2)
  • ・休日労働及び深夜労働の取り扱いは除外されていないので注意ください。(昭和63.1.1基発1号)

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第38条の2(事業場外労働)
  • 労基則第24条の2(事業場外労働の時間計算)
  • 昭和63.1.1基発1号(事業場外労働の範囲)
  • 昭和63.3.14基発150号(一部事業場内労働の場合の算定他)
  • 平成16.3.5基発0305001号(情報通信機器を活用した在宅勤務に関する労働基準法第38条の2の適用について)

作成のポイント●21 専門業務型裁量労働制

【規定例】

  • 第31条(専門業務型裁量労働制)
    • 会社は、業務遂行手段及び時間配分の決定等に関し具体的な指示をすることが困難な専門業務に従事する者を対象に、所轄労働基準監督署長に届け出た労使協定の範囲内で、専門業務型裁量労働制を採用することがある。
    • 2 所定労働日における労働時間は、労使協定で定めた時間をみなし労働時間とする。なお、始業、終業の時刻及び休憩時間は、この規則第28条によるものを基本とする。ただし、業務遂行上の必要により、始業、終業の時刻及び休憩時間は、弾力的に運用することができるものとし、その場合は裁量労働制対象者の裁量に基づいて設定するものとする。

1.専門業務型裁量労働制

 専門業務型裁量労働制は、業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令などにより定められた19業務(①新商品等の開発、②情報処理システム分析等、など)に限って、労使協定であらかじめ定めた時間労働したものとみなす制度です。

2.労使協定の締結及び届出義務

 専門業務型裁量労働制は、労使協定を締結し、それを所轄の労働基準監督署長に届けなければならなく、具体的な内容(例えば、適用対象業務やみなし労働時間の算定など)はその労使協定において定めるものであり、就業規則に規定する必要はありません。なお、就業規則においては、始業及び終業に関する事項の例外規定に該当するため、絶対的必要記載事項として規定しなければならなく、また、専門業務型裁量労働制を命じることがある旨を規定しなければなりません。

3.労使協定の内容

 労使協定における締結項目は次のとおりです。

  • ①対象業務(厚生労働省令等で定める19業務に限る)
  • ②みなし労働時間(労働時間として算定される時間)
  • ③対象業務を遂行する手段、方法、時間配分等に関し、具体的な指示をしないこと
  • ④健康・福祉を確保するための措置の具体的内容
  • ⑤苦情処理のため実施する措置の具体的内容
  • ⑥有効期間
  • ⑦④及び⑤に関して労働者ごとに講じた措置の記録を協定期間中及びその期間の満了後3年間保存すること

4.法定休日や深夜労働の取り扱い

 専門業務型裁量労働制は、法定休日や深夜労働においてみなし労働時間を適用することはできず、それらは時間管理したうえで、実労働時間数にて割増賃金を支給しなければなりません。

5.その他の検討事項

  • ・専門業務型裁量労働制は、法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間について適用するため、法第6章に規定する年少者や法第6章の2に規定する妊産婦等には適用することができません。(労基則第24条の2の2)

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第38条の3(専門業務型裁量労働制)
  • 労働基準法施行規則第24条の2の2(専門業務型裁量労働制の時間計算)
  • 平成15.10.22厚労告354号(厚生労働大臣の指定する業務)

作成のポイント●22 時間外労働・休日労働

【規定例】

  • 第32条(時間外労働・休日労働)
    • 会社は、業務上の必要性がある場合に、第26条に定める所定労働時間を超えて、もしくは第28条に定める休日に労働を命じることがある。
    • 2 前項に基づく時間外労働及び休日労働のうち法定労働時間を超え、または法定休日に労働させる場合は、労働基準監督署長に届け出た労使協定に基づくものとする。
    • 3 法定労働時間を超えて労働させた場合及び法定休日に労働させた場合は、賃金規程に基づき割増賃金を支給するものとする。

1.時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定)

 時間外労働とは、就業規則等において規定されている所定労働時間を超えて労働することをいいますが、その労働が法定労働時間を超える場合は、次の項目について労使協定が締結されていて、かつそれを所轄の労働基準監督署長へ届け出ていなければなりません。

  • ①時間外または休日労働させる必要のある具体的事由
  • ②業務の種類
  • ③労働者の数
  • ④1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間
  • ⑤労働させることができる休日
  • ⑥有効期間

2.延長時間の限度

 36協定において「1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間」を際限なく規定することはできません。平成10.12.28労告154号に36協定で定める労働時間の延長に関して限度基準があり、その基準にそって労使協定を締結することを原則として、限度時間を超えて労働せざるを得ない特別の事情(臨時的なものに限る)が生じたときに限り、1日を超える一定の期間についての延長時間を定めたうえで、当該一定期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨を定める場合はこの限りではないとされています。

【限度時間の定め】

期間一般労働者(右欄以外) 1年変形(期間3箇月超)対象労働者
1週間15時間14時間
2週間27時間25時間
4週間43時間40時間
1箇月45時間42時間
2箇月81時間75時間
3箇月120時間110時間
1年間360時間320時間

3.法定労働時間と割増賃金

 労働基準法第32条第1項は、「使用者は、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない」、第2項「使用者は1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない」と規定しています。この1週間について40時間及び1日につき8時間のことを法定労働時間というのに対して、所定労働時間とは、企業それぞれが就業規則などに定めている労働時間のことをいいます。

 時間外労働を命じた場合に割増賃金発生義務(25%割増)が生じるのは、法定労働時間を超えた部分に労働させた場合であり、別の言い方をすると36協定に基づく時間外労働命令は、法定労働時間を超えて指示命令す

 例えば、ある企業の所定労働時間が、1日につき7時間、1週間について35時間(始業9時、終業17時、休憩時間60分で、完全週休二日制)として、ある週の月曜日に1時間の時間外労働、同一週の水曜日に3時間の時間外労働をしたとします。すると月曜日は1日8時間勤務、水曜日は10時間勤務、そしてその週の労働時間合計は39時間になり、この場合、月曜日の時間外労働1時間は割増賃金が発生しなく(割増ではない通常単価の時間外手当は発生する)、水曜日は3時間の時間外労働のうち1時間は法定労働時間内なので月曜日と同様に取り扱い、8時間を超えた2時間分については割増賃金が発生することになります。

4.法定休日と割増賃金の考え方

 労働基準法第35条第1項は、「使用者は、労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」、第2項「前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない」と規定しています。ここに規定する休日のことを法定休日といい、休日労働を命じた場合に割増賃金発生義務(35%割増)が生じるのは、法定休日に労働させた場合であり、36協定に基づく休日労働命令は、法定休日に指示命令する部分のことです。よって週休二日制の場合など法定外休日(4週を通して4日を超える休日)に労働させた場合は、35%割増賃金が発生することはありません。しかし、法定外休日に労働させることによりその週の法定労働時間(1週に40時間)を超過している場合は、時間外労働に関する割増賃金(25%割増)をつけなければなりません。

5.その他の検討事項

  • ・36協定による時間外労働等とは別に、災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等について規定すべきです。(労基法第33条
  • ・割増賃金の算定基礎賃金については、除外できる賃金を誤解なく賃金規程に規定しなければならないので注意ください。

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第36条(時間外及び休日の労働)
  • 労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜労働の割増賃金)
  • 労働基準法施行規則第19条(割増賃金の基礎となる賃金の計算)
  • 労働基準法施行規則第20条(深夜業の割増賃金)
  • 労働基準法施行規則第21条(割増賃金の基礎となる賃金に算入しない賃金)
  • 平成10.12.28労告154号(労働基準法第36条第2項の規定に基づき労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準を定める告示)
  • 昭和23.11.4基発1592号(法定内の所定時間外労働に対する賃金)
  • 昭和29.7.8基収3264号、昭和63.3.14基発150号(法定時間内の時間外労働手当)

6.平成22年4月施行法改正について

 労働基準法の一部が改正され、平成22年4月1日より時間外労働の割増賃金率が引き上げられます。

  • ①法定労働時間を超える時間外労働が月間60時間を超える場合………割増率50%以上
  • ②法定労働時間を超える時間外労働が月間45時間を超える場合………割増率25%を超える率とするように努める
  • ③労使協定を締結することにより、①の場合に限って改正法による引き上げ分(25%から50%に引き上げた差の25%に当たる部分)の割増賃金の支払に代えて、通常の賃金が支払われる代替休暇を付与することができます。なお、これは年次有給休暇とは異なるので、それを消化させるものではありません。

 なお、この法改正は中小企業に猶予措置が定められており、以下の中小企業について施行から3年経過後にあらためて検討することとされています。

 これらの法改正に対応した割増賃金の内容等については、就業規則にも根拠をおくことが必要ですが、特に代替休暇に係る労使協定を定めた場合には、就業規則において新たに代替休暇に関する事項を定めることが必要です。

【猶予される中小企業】

  • ①資本金の額または出資の総額が
    • 小売業…………5000万円以下
    • サービス業……5000万円以下
    • 卸売業………… 1億円以下
    • 上記以外……… 3億円以下

 または

  • ②常時使用する労働者が
    • 小売業…………50人以下
    • サービス業……100人以下
    • 卸売業…………100人以下
    • 上記以外………300人以下

作成のポイント●23 休日の振替・代休

【規定例】

  • 第34条(休日の振替・代休)
    • 業務上やむを得ない事由により、第28条の休日に勤務を必要とする場合は、その休日を他の日に振替えることがある。なお、休日を振替えたときは、振替え後の日を休日とし、従来の休日は通常の勤務日とする。
    • 2 前条の休日のうち法定休日に出勤せざるを得ない場合の振替休日は、原則として4週間以内に振り替えることとする。
    • 3 第1項により休日を振替えるときは、所属長があらかじめ振替による休日を指定するものとする。
    • 4 休日を振り替えることができなかった場合には、後日代休を与えることがある。

1.休日の振替と代休の違い

 休日の振替とは、あらかじめ休日として定められた日と労働日を振り替えて、休日であった日を労働日にして、反対に振り替えた日(本来は労働日)を休日にすることをいいます。この場合、当該休日は休日労働にはなりません。これに対して代休とは、休日労働した後、代わりの休日を代償的措置として与えることをいい、この場合はたとえ後日に休日を与えたからといって休日労働した事実はなくなりません。 なお、振替休日は「振り替えるべき日については、振り替えられた日以降できる限り近接している日が望ましいこと」(昭和23.7.5基発968号、昭和63.3.14基発150号)という通達の解釈にそって運用すべきです。

2.法定休日の振替

 休日を振り替えるにあたって、法定休日の振替と法定外休日の振替では意味が異なります。法定休日については、「4週を通して4日」確保されていなければならないものであり、言いかえると法定休日出勤の振替休日は4週を通して4日の休日が確保できるように設定しなければなりません。「4週を通して4日」の休日が確保されなければ、36協定における休日労働の制限に基づかなければならなく、振替の意味がなくなってしまいます。しかし法定外休日にそのような法規制はなく、仮に振替休日を与えなかったとしても、労働基準法上の休日労働にあたらないため、36協定における休日労働の制限にこだわることもありません。

3.休日の振替と時間外労働

 休日を振り替えた場合は、割増賃金の支払義務が一切生じないというように解釈されていることがありますが、それは誤りであり、通達に「就業規則に定める休日の振替規定により休日を振り替える場合、当該休日は労働日となるので休日労働にはならないが、振り替えたことにより当該週の労働時間が1週間の法定労働時間を超えるときは、その超えた時間については時間外労働となり、時間外労働に関する36協定及び割増賃金の支払が必要であることに注意されたい。」(昭和22.11.27基発401号、昭和63.3.14基発150号)とあることに注意ください。

4.業務命令として振替の規定

 休日の振替は、労働契約の変更にあたるため、就業規則に規定することにより業務命令としての変更権にあらかじめ同意を得ておく必要があります。

関連する法令・判例など

  • 昭和23.7.5基発968号、昭和63.3.14基発150号(休日の振替の手続)
  • 昭和22.11.27基発401号、昭和63.3.14基発150号(休日の振替と時間外労働)

作成のポイント●24 管理・監督者の適用除外

【規定例】

  • 第35条(管理・監督者の適用除外)
    • 次の各号の一に該当する者は、この規則に定める労働時間(但し、深夜業を除く)、休憩時間、休日に関する規定を適用しない。
      • (1) 所属部署における所属長等、管理監督者。但し、労働基準法第41条に該当しない場合はこの限りではない。
      • (2) 社長秘書等、会社の機密事務を取り扱う者。但し、労働基準法第41条に該当しない場合はこの限りではない。

1.管理監督者の定義

 「監督又は管理の地位に在る者とは、一般的には局長、部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場に在る者の意であるが、名称にとらわれず出退社等について厳格な制限を受けない者について実態的に判別すべきものであること。」(昭和22.9.13発基17号)

2.管理監督者の判断基準

 労働基準法第41条第2項は、労働時間、休憩時間及び休日の規定を管理監督者に対して当然に(許可等必要なく)適用除外しています。

 管理監督者は、労働時間、休憩、休日に関する規制の枠を超えて活動することを要請せざるを得ない重要な職務と責任を有し、一般に、職務の内容と権限に応じた地位と経験があり、企業経営上の必要性から経営者と一体的な立場にあるため、現実の勤務態様も労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限られます。 したがって管理監督者の判断は、職務内容、責任や権限、勤務態様により判断すべきであり、企業における資格や職位などの名称にとらわれることなく実態に即して判断しなければなりません。

 管理監督者に対して実際にはどのような権限が付与されているか、業務に関する決定権、採用権、解雇権、会議等への出席、人事考課等への関与はどの程度のものであるか、さらには労働時間に関する自由裁量(出退勤の自由裁量)があるか、賃金や賞与等に関しては、その地位や職務の重要性に見合った待遇を受けているかといった内容により、管理監督者かどうかという判断がなされます。

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第41条第2項(労働時間等に関する規定の適用除外)
  • 昭和22.9.13発基17号(管理監督者の考え方)
  • 昭和52.2.28基準発104号、104号の2(労働基準法第41条第2号の「管理又は監督者の地位にある者」の取扱い範囲について 都市銀行等の金融機関)
  • 昭和52.2.28基準発105号(管理監督者の範囲について 都市銀行等以外の金融機関)
  • 平成20.4.1基監発0401001号(管理監督者の範囲の適正化について)
  • 平成20.9.9基発0909001号(多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について)

作成のポイント●25 年次有給休暇及び請求手続

【規定例】

  • 第36条(年次有給休暇及び請求手続)
    • 会社は、採用の日から6箇月間継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤した従業員に対して、10日の年次有給休暇を与える。その後1年間継続勤務するごとに、当該1年間において所定労働日の8割以上出勤した従業員に、次の表のとおり勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与えるものとする。
勤続期間6箇月1年6箇月2年6箇月3年6箇月4年6箇月5年6箇月6年6箇月以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日
  • 2 前項の年次有給休暇は、従業員があらかじめ請求する時季に取得させるものとする。ただし、従業員が請求した時季に年次有給休暇を取得させることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に取得させることがある。
  • 3 前項の規定にかかわらず、労使協定を締結した場合は、従業員が保有する年次有給休暇日数のうち5日を越える部分について、あらかじめ時季を指定して取得させることがある。
  • 4 第1項及び第2項の出勤率は、年次有給休暇を取得した期間、産前産後休暇期間、育児休暇期間、介護休暇期間及び業務上の傷病による休業期間は、出勤したものとみなして算定する
  • 5 取得しなかった年次有給休暇は、その翌年度に限り繰り越して取得することができる。繰り越された年次有給休暇とその後付与された年次有給休暇のいずれも取得できる場合は、繰り越された年次有給休暇から取得させるものとする。
  • 6 年次有給休暇を取得した場合は、通常の賃金を支払うものとする。

1.年次有給休暇の意義

 年次有給休暇の意義について通達の解釈を記します。

 「昭和48年3月2日、労働基準法第39条の解釈について、最高裁第二小法廷判決がなされたので、今後における同条の解釈運用は下記によって行なうので、遺憾のないようにされたい。

  • ①年次有給休暇の権利は、法定要件を充たした場合法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者の請求をまってはじめて生ずるものではない。同条第4項の「請求」とは休暇の時季を指定するという趣旨であって、労働者が時季の指定をしたときは、客観的に同項ただし書所定の事由が存在し、かつ、これを理由として使用者が時季変更権の行使をしない限り、その指定によって年次有給休暇が成立し、当該労働日における就労義務が消滅するものと解するのが相当である。

 このように解するならば、年次有給休暇の成立要件として、労働者による「休暇の請求」や、これに対する使用者の「承認」というような観念を容れる余地はない。

  • ②年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは労働者の自由である。しかし、労働者がその所属の事業所においてその業務の正常な運営の阻害を目的として一斉に休暇を提出して職場を放棄する場合は、年次有給休暇に名をかりた同盟罷業にほかならないから、それは年次有給休暇権の行使ではない。

 ただ、このようにいえるのは、当該労働者の所属する事業場で休暇闘争が行なわれた場合のことであって、他の事業場における争議行為に休暇をとって参加するような場合は、それを年次有給休暇の行使でないとはいえない。」(昭和48.3.6基準発110号)

2.年次有給休暇発生要件

 年次有給休暇が発生するための要件として「継続勤務要件」と「出勤率要件」が定められています。なかでも出勤率算定にあたっては、年次有給休暇取得期間、産前産後休暇期間、育児休暇期間や介護休暇期間を出勤したものとみなさなければなりません。ただし、生理休暇や子の看護休暇については、法定休暇ではありますが、出勤したものとみなすことが義務づけられているものではありません。

3.年次有給休暇の計画的付与

 年次有給休暇の計画的付与は、労使協定を締結して年次有給休暇を与える時季に関する定めをしたときに、労働者が保有する年次有給休暇のうち5日を超える部分について時季を指定して付与することができる制度です。なお、この労使協定の届出義務はありません。

 計画的付与は、①事業場全体の休業による一斉付与方式、②班別の交替制付与方式、③年次有給休暇計画表による個人別付与方式などが考えられますが、「計画的付与の場合には、第39条第4項の労働者の時季指定権及び使用者の時季変更権はともに行使できない」(昭和63.3.14基発150号)とされていることが通常の年次有給休暇の取扱いとは異なり要注意です。

4.請求権

 年次有給休暇は、2年間の消滅時効があるため、前年分に限り繰り越すことができます。

5.その他の検討事項

  • ・労働日数の少ないパートタイマー等への比例付与に関する事項を規定すべきです。
  • ・1日の所定労働時間数が一定しないパートタイマー等が年次有給休暇を取得した場合は、平均賃金で支給することがある旨規定すべきか検討ください。

6.平成22年4月施行法改正について

 年次有給休暇は、暦日単位で取得することを原則としていますが、平成22年4月1日からは、労使協定を締結することにより、1年間につき5日分を限度として時間単位で年次有給休暇を取得できるようになりますので、労使協定を定めた場合には、就業規則にも時間単位年休の根拠が必要です。

関連する法令・判例など

  • 労働基準法第39条(年次有給休暇)
  • 白石営林署事件:最高裁第2小法廷判決昭和48.3.2(年次有給休暇の意義)
  • 国鉄郡山工場賃金支払請求事件:最高裁第2小法廷判決昭和48.3.2(年次有給休暇の意義)
  • 昭和48.3.6基発110号(年次有給休暇の意義)
  • 昭和63.3.14基発150号(計画的付与の時季指定権・時季変更権の関係)

作成のポイント●26 裁判員休暇及び請求手続

【規定例】

  • 第39条(裁判員休暇及び請求手続)
    • 会社は、従業員が裁判員候補者としての出頭もしくは裁判員(もしくは補充裁判員)として選任を受け裁判審理に参加するときに、当該従業員からの請求に基づき裁判員休暇を付与するものとする。
    • 2 裁判員休暇を取得した場合は、通常の賃金を支払うものとする。

1.裁判員制度について

 裁判員制度は、平成21年5月21日から実施されていて、一定の刑事裁判において、事件ごとに国民から選ばれた裁判員が、裁判官とともに審理に参加する制度です。

 裁判員は、20歳以上の有権者から無作為に選ばれるものであり、裁判員候補者から選ばれた裁判員は欠格事由に該当、もしくは辞退事由に該当しない限り参加義務があります。

2.裁判員制度と労働基準法等

 裁判員として審理に参加することは、労働基準法第7条(公民権行使の保障)に規定する「公の職務」に該当します。よって「使用者は労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り請求された時刻を変更することができる」(労基法第7条)とあるように労働者からの請求があった場合は必要な時間を与えなければなりません。

3.裁判員休暇と賃金

 裁判員としての公の職務の執行に対して、国は企業に裁判員休暇を新設するなどの理解を求めています。裁判員としての公の職務を執行している間は、本来の労働契約上の労務提供をしていないため有給扱いにしなければならないというものではありません。よって必ず裁判員休暇を制定しなければならないというものではありませんが、ここは企業に理解を求めて有給として取り扱いたいところです。

関連する法令・判例など

  • 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
  • 労働基準法第7条(公民権行使の保障)

作成のポイント●27 母性健康管理休暇等

【規定例】

  • 第43条(母性健康管理休暇等)
    • 女性社員は、母子保健法に基づく妊産婦検診を受診するための通院時間として特別休暇を請求することができる。
      • (産前の場合)
        • 妊娠23週まで        4週に1回
        • 妊娠24週から35週まで    2週に1回
        • 妊娠36週から出産まで    1週に1回
        • 但し、医師または助産婦がこれと異なる指示をしたときはその指示に基づき請求することができる。
      • (産後の場合)
        • 医師の指示に基づき必要な時間を請求することができる。
    • 2 会社は、妊産婦である女性社員が、医師等から指導を受けた場合は、その指導を守ることができるように、通勤緩和、休憩時間の特例、勤務時間の短縮、特別休暇の取得等の適切な処置を取るものとする。

1.母性健康管理

 母性健康管理は、男女雇用機会均等法第12条及び第13条に規定されている内容であり、妊産婦の健康管理について企業に義務を課したものです。具体的には妊娠中及び産後1年以内の女性労働者が母子保健法に基づく保健指導または健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならなく、これらを守ることができるようにするため勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければなりません。

2.指針

 男女雇用機会均等法第13条は、事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものと規定しています。

 その内容としては①妊娠中の通勤緩和について、②妊娠中の休憩に関する措置について、③妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置についてなどが定められています。

3.その他の検討事項

  • ・母性健康管理に基づく休暇等を請求した場合の賃金は、有給扱いしなければならないものではありませんが、健康保険法や雇用保険法に基づく出産手当金もしくは育児休業給付に該当するものでもなく、企業に理解を求めて有給として取り扱いたいところです。

関連する法令・判例など

  • 男女雇用機会均等法第12条、第13条(妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置)
  • 妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針(平成9.9.25労告105号)

就業規則作成・見直ポイントのメニュー

就業作成_2_04.1705904415.txt.gz · 最終更新: (外部編集)
CC Attribution-Share Alike 4.0 International
Driven by DokuWiki Recent changes RSS feed Valid CSS Valid XHTML 1.0