目次

第8章 休職・復職

<本章の規定>

 この章では、休職に関する取扱いを定めます。「休職」とは、従業員が、その身分を保有したまま一定の期間につきその働くことを免除する制度のことであり、就業規則上の相対的必要記載事項であり、必ず設けなければならないものではありません。

 規定を定める場合には、休職事由及びその事由ごとの休職期間、休職期間中の労働条件(賃金及び退職金等)の取り扱い、期間満了時及び復職時の取り扱いを特に明確に定めておく必要があります。これらは、いずれも経営者の裁量権によるものであり、特に法律上の基準は設けられていませんが、その規定の内容に合理性が求められます。

作成のポイント●34 休職期間の取り扱い

【規定例】

1.休職事由を定めるとき

 休職期間は、休職事由に応じてその期間が異なるのが一般的です。主な休職事由には、①私傷病によるとき、②公職に就いた場合、③労働組合の専従に就いたとき、④会社の命令により出向している期間などがあり、それらを具体的に定めておくべきでしょう。例は、休職事由と休職期間を合わせて規定しています。

2.休職期間

 休職期間は、休職事由ごとに異なる期間を設けます。特に、私傷病を事由とする場合には、過去の勤続年数を会社への貢献とみて、勤続年数の長短に応じて休職期間の長さに差を設けるのが一般的です。規定例のような定め方では、その勤続年数を問わず、休職期間6箇月となってしまいます。また、私傷病による休職期間(労務不提供期間)を解雇猶予措置としてみた場合、試用期間中の者や入社1年未満の者について適用しないとすることも考慮すべきでしょう。

 また、規定例第一号のように、私傷病休職の規定において「3箇月を超え」と欠勤期間をみる場合に、「3箇月を超え(暦日による)」というように暦日であることを明らかにしておくことのほか、同一傷病について欠勤期間が一時中断し再び生じる事態もあり得ることを踏まえて「中断期間が○日以内の場合は前後を通算する」と規定することも考えるべきでしょう。

3.その他の検討事項

関係する法令・判例など

作成のポイント●35 復職及び復職の取消し

【規定例】

1.復職の判断と手続

 休職期間満了前又は満了時に休職事由が消滅した場合においては、当然復職させることになります。しかし、後述する退職に関する規程との関係もありますが、私傷病による長期療養などにより、休職期間満了時においても休職事由が消滅(治ゆ)していない場合には、労務提供不能として労働関係を終了させることになります。

 この場合、当然退職となるのか、解雇として解雇手続を要することになるのかは、就業規則の定め方によります。 「休職期間の満了をもって退職とする」と定められているときは当然に退職となりますが、特にその旨の定めがない又は解雇する旨の規定となっていれば、普通解雇の手続(休職期間満了日の30日前の予告又は予告手当の支払い)が必要となります。

 また、休職事由が私傷病によるものであるときは、休職事由の消滅は、「治ゆ(健常時の業務を健常時と同様に業務遂行できる状態)」の判断によります。したがって、復職にあたっては、従業員の主治医の診断書のみならず、会社指定の医師の診断を受けるなど復職手続きも定めておくことや、会社が主治医との面談することに協力することを求める規定も必要となります。

2.復職の取消しと休職期間の通算

 休職期間満了で退職となることを懸念して、その期間を中断させるために一旦復職して、その後しばらくして休職するというようなこともあります。このような「繰返し休職」を防ぐためにも、復職したものの労務提供が不完全な状態である場合は復職の取消しもある旨の規定も重要です。また、同一傷病の再発又は類似の傷病により、一定期間内に再び休職することになった場合には、その期間を通算する旨の規定を定めておくことも必要です。その場合における一定期間を「3箇月以内」又は「6箇月以内」など、どの程度の期間とするかは社会通念上の相当性に照らして検討しなければなりません。

 近年は、「うつ病」による休職後の復職対応のために、リハビリ出社などがあり、その取扱いに関する規定も必要となります。

3.配置転換

 私傷病による休職事由の消滅にともなう「治ゆ」の判断は、原則として、会社の判断によるものです。この治癒を要件として、休職前の「健康時に従事していた職務に従事すること」とすることもできます。しかし、長期休職期間中に他の労働者が、当該労働者の業務を行っている場合などは、旧職務に復職できない場合があります。このような場合も想定して、規定例にあるように他の職務への配置転換がある旨を規定しておくべきでしょう。

4.その他検討事項

関係する法令・判例など

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2024/01/31 04:01 · tokita