====== 第二章 第三節 健康保険組合(健康保険法 ======  [[https://www.kannosrfp.com/|社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)]]が作成した法令等参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。各ページ基本は章ごとのページにしています。 ===== 第八条(組織) =====  健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者及び任意継続被保険者をもって組織する。 ===== 第九条(法人格) =====  健康保険組合は、法人とする。 2 健康保険組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 ===== 第十条(名称) =====  健康保険組合は、その名称中に健康保険組合という文字を用いなければならない。 2 健康保険組合でない者は、健康保険組合という名称を用いてはならない。  罰則:[[健保法_11#第二百二十条|第二百二十条]](十万円以下の過料) ===== 第十一条(設立) =====  一又は二以上の適用事業所について常時政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主は、当該一又は二以上の適用事業所について、健康保険組合を設立することができる。 2 適用事業所の事業主は、共同して健康保険組合を設立することができる。この場合において、被保険者の数は、合算して常時政令で定める数以上でなければならない。 ===== 第十二条 =====  適用事業所の事業主は、健康保険組合を設立しようとするときは、健康保険組合を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の二分の一以上の同意を得て、規約を作り、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 2 二以上の適用事業所について健康保険組合を設立しようとする場合においては、前項の同意は、各適用事業所について得なければならない。 ===== 第十三条 =====  [[健保法_03_1#第三十一条(適用事業所)|第三十一条]]第一項の規定による認可の申請と同時に健康保険組合の設立の認可の申請を行う場合にあっては、前二条中「適用事業所」とあるのは「適用事業所となるべき事業所」と、「被保険者」とあるのは「被保険者となるべき者」とする。 ===== 第十四条 =====  厚生労働大臣は、一又は二以上の適用事業所([[健保法_03_1#第三十一条(適用事業所)|第三十一条]]第一項の規定によるものを除く。)について常時政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主に対し、健康保険組合の設立を命ずることができる。 2 前項の規定により健康保険組合の設立を命ぜられた事業主は、規約を作り、その設立について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ===== 第十五条(成立の時期) =====  健康保険組合は、設立の認可を受けた時に成立する。 ===== 第十六条(規約) =====  健康保険組合は、規約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 * 一 名称 * 二 事務所の所在地 * 三 健康保険組合の設立に係る適用事業所の名称及び所在地 * 四 組合会に関する事項 * 五 役員に関する事項 * 六 組合員に関する事項 * 七 保険料に関する事項 * 八 準備金その他の財産の管理に関する事項 * 九 公告に関する事項 * 十 前各号に掲げる事項のほか、厚生労働省令で定める事項 2 前項の規約の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 3 健康保険組合は、前項の厚生労働省令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。  罰則:[[健保法_11#第二百十九条|第二百十九条]](二十万円以下の過料) ===== 第十七条(組合員) =====  健康保険組合が設立された適用事業所(以下「設立事業所」という。)の事業主及びその設立事業所に使用される被保険者は、当該健康保険組合の組合員とする。 2 前項の被保険者は、当該設立事業所に使用されなくなったときであっても、任意継続被保険者であるときは、なお当該健康保険組合の組合員とする。 ===== 第十八条(組合会) =====  健康保険組合に、組合会を置く。 2 組合会は、組合会議員をもって組織する。 3 組合会議員の定数は、偶数とし、その半数は、設立事業所の事業主において設立事業所の事業主(その代理人を含む。)及び設立事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は、被保険者である組合員において互選する。 ===== 第十九条(組合会の議決事項) =====  次に掲げる事項は、組合会の議決を経なければならない。 * 一 規約の変更 * 二 収入支出の予算 * 三 事業報告及び決算 * 四 その他規約で定める事項 ===== 第二十条(組合会の権限) =====  組合会は、健康保険組合の事務に関する書類を検査し、理事若しくは監事の報告を請求し、又は事務の管理、議決の執行若しくは出納を検査することができる。 2 組合会は、組合会議員のうちから選任した者に、前項の組合会の権限に属する事項を行わせることができる。 ===== 第二十一条(役員) =====  健康保険組合に、役員として理事及び監事を置く。 2 理事の定数は、偶数とし、その半数は設立事業所の事業主の選定した組合会議員において、他の半数は被保険者である組合員の互選した組合会議員において、それぞれ互選する。 3 理事のうち一人を理事長とし、設立事業所の事業主の選定した組合会議員である理事のうちから、理事が選挙する。 4 監事は、組合会において、設立事業所の事業主の選定した組合会議員及び被保険者である組合員の互選した組合会議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。 5 監事は、理事又は健康保険組合の職員と兼ねることができない。 ===== 第二十二条(役員の職務) =====  理事長は、健康保険組合を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、設立事業所の事業主の選定した組合会議員である理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。 2 健康保険組合の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる。 3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、健康保険組合の業務を執行することができる。 4 監事は、健康保険組合の業務の執行及び財産の状況を監査する。 ===== 第二十二条の二(協会の役員及び職員の秘密保持義務に関する規定の準用) =====  [[健保法_02_2#第七条の三十七(秘密保持義務)|第七条の三十七]]第一項の規定は、健康保険組合の役員及び職員について準用する。  罰則:[[健保法_11#第二百七条の二|第二百七条の二]](一年以下の懲役又は百万円以下の罰金) ===== 第二十三条(合併) =====  健康保険組合は、合併しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の四分の三以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 2 合併によって健康保険組合を設立するには、各健康保険組合がそれぞれ組合会において役員又は組合会議員のうちから選任した設立委員が共同して規約を作り、その他設立に必要な行為をしなければならない。 3 合併により設立された健康保険組合又は合併後存続する健康保険組合は、合併により消滅した健康保険組合の権利義務を承継する。 ===== 第二十四条(分割) =====  健康保険組合は、分割しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の四分の三以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 2 健康保険組合の分割は、設立事業所の一部について行うことはできない。 3 分割を行う場合においては、分割により設立される健康保険組合の組合員となるべき被保険者又は分割後存続する健康保険組合の組合員である被保険者の数が、[[健保法_02_3#第十一条(設立)|第十一条]]第一項(健康保険組合を共同して設立している場合にあっては、[[健保法_02_3#第十一条(設立)|同条]]第二項)の政令で定める数以上でなければならない。 4 分割によって健康保険組合を設立するには、分割により設立される健康保険組合の設立事業所となるべき適用事業所の事業主が規約を作り、その他設立に必要な行為をしなければならない。 5 分割により設立された健康保険組合は、分割により消滅した健康保険組合又は分割後存続する健康保険組合の権利義務の一部を承継する。 6 前項の規定により承継する権利義務の限度は、分割の議決とともに議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ===== 第二十五条(設立事業所の増減) =====  健康保険組合がその設立事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の二分の一以上の同意を得なければならない。 2 [[健保法_03_1#第三十一条(適用事業所)|第三十一条]]第一項の規定による認可の申請があった事業所に係る設立事業所の増加に関する規約の変更の認可の申請を行う場合にあっては、前項中「被保険者」とあるのは、「被保険者となるべき者」とする。 3 第一項の規定により健康保険組合が設立事業所を減少させるときは、健康保険組合の被保険者である組合員の数が、設立事業所を減少させた後においても、[[健保法_02_3#第十一条(設立)|第十一条]]第一項(健康保険組合を共同して設立している場合にあっては、[[健保法_02_3#第十一条(設立)|同条]]第二項)の政令で定める数以上でなければならない。 4 [[健保法_02_3#第十二条|第十二条]]第二項の規定は、第一項の被保険者の同意を得る場合について準用する。 ===== 第二十六条(解散) =====  健康保険組合は、次に掲げる理由により解散する。 * 一 組合会議員の定数の四分の三以上の多数による組合会の議決 * 二 健康保険組合の事業の継続の不能 * 三 [[健保法_02_3#第二十九条(報告の徴収等)|第二十九条]]第二項の規定による解散の命令 2 健康保険組合は、前項第一号又は第二号に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 3 健康保険組合が解散する場合において、その財産をもって債務を完済することができないときは、当該健康保険組合は、設立事業所の事業主に対し、政令で定めるところにより、当該債務を完済するために要する費用の全部又は一部を負担することを求めることができる。 4 協会は、解散により消滅した健康保険組合の権利義務を承継する。 ===== 第二十七条 =====  削除 ===== 第二十八条(指定健康保険組合による健全化計画の作成) =====  健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(以下この条及び[[健保法_02_3#第二十九条(報告の徴収等)|次条]]において「指定健康保険組合」という。)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下この条において「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 2 前項の承認を受けた指定健康保険組合は、当該承認に係る健全化計画に従い、その事業を行わなければならない。 3 厚生労働大臣は、第一項の承認を受けた指定健康保険組合の事業及び財産の状況により、その健全化計画を変更する必要があると認めるときは、当該指定健康保険組合に対し、期限を定めて、当該健全化計画の変更を求めることができる。 ===== 第二十九条(報告の徴収等) =====  [[健保法_02_2#第七条の三十八(報告の徴収等)|第七条の三十八]]及び[[健保法_02_2#第七条の三十九(監督)|第七条の三十九]]の規定は、健康保険組合について準用する。この場合において、[[健保法_02_2#第七条の三十九(監督)|同条]]第一項中「厚生労働大臣は」とあるのは「厚生労働大臣は、[[健保法_02_3#第二十九条(報告の徴収等)|第二十九条]]第一項において準用する[[健保法_02_3#第二十八条(指定健康保険組合による健全化計画の作成)|前条]]の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において」と、「定款」とあるのは「規約」と読み替えるものとする。 2 健康保険組合が前項において準用する[[健保法_02_2#第七条の三十九(監督)|第七条の三十九]]第一項の規定による命令に違反したとき、又は[[健保法_02_3#第二十八条(指定健康保険組合による健全化計画の作成)|前条]]第二項の規定に違反した指定健康保険組合、[[健保法_02_3#第二十八条(指定健康保険組合による健全化計画の作成)|同条]]第三項の求めに応じない指定健康保険組合その他政令で定める指定健康保険組合の事業若しくは財産の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、当該健康保険組合の解散を命ずることができる。  罰則:[[健保法_11#第二百十九条|第二百十九条]](二十万円以下の過料) ===== 第三十条(政令への委任) =====  この節に規定するもののほか、健康保険組合の管理、財産の保管その他健康保険組合に関して必要な事項は、政令で定める。 ===== 健康保険法の関連ページ ===== * [[健康保険法|健康保険法トップへ]] * [[健保法_01|第一章 総則]] (第一条~第三条) * [[健保法_02_1|第二章 保険者]] *  [[健保法_02_1#第一節 通則|第一節 通則]] (第四条~第七条) *  [[健保法_02_2|第二節 全国健康保険協会]] (第七条の二~第七条の四十二) *  [[健保法_02_3|第三節 健康保険組合]] (第八条~第三十条) * [[健保法_03_1|第三章 被保険者]] *  [[健保法_03_1#第一節 資格|第一節 資格]] (第三十一条~第三十九条) *  [[健保法_03_2|第二節 標準報酬月額及び標準賞与額]] (第四十条~第四十七条) *  [[健保法_03_3|第三節 届出等]] (第四十八条~第五十一条の二) * [[健保法_04_1|第四章 保険給付]] *  [[健保法_04_1#第一節 通則|第一節 通則]] (第五十二条~第六十二条) *  [[健保法_04_2_1#第二節 療養の給付及び入院時食事療養費等の支給|第二節 療養の給付及び入院時食事療養費等の支給]] *   [[健保法_04_2_1#第一款 療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費及び療養費の支給|第一款 療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費及び療養費の支給]] (第六十三条~第八十七条) *   [[健保法_04_2_2|第二款 訪問看護療養費の支給]] (第八十八条~第九十六条) *   [[健保法_04_2_2#第三款 移送費の支給|第三款 移送費の支給]] (第九十七条) *   [[健保法_04_2_2#第四款 補則|第四款 補則]] (第九十八条) *  [[健保法_04_3|第三節 傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金及び出産手当金の支給]] (第九十九条~第百九条) *  [[健保法_04_4|第四節 家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族埋葬料及び家族出産育児一時金の支給]] (第百十条~第百十四条) *  [[健保法_04_5|第五節 高額療養費及び高額介護合算療養費の支給]] (第百十五条・第百十五条の二) *  [[健保法_04_6|第六節 保険給付の制限]] (第百十六条~第百二十二条) * [[健保法_05_1|第五章 日雇特例被保険者に関する特例]] *  [[健保法_05_1#第一節 日雇特例被保険者の保険の保険者|第一節 日雇特例被保険者の保険の保険者]] 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