社会保険料(健保・厚年)と雇用保険料の端数処理を体系的に整理
健康保険料・厚生年金保険料は 労使折半(各1/2負担)が原則です(健保法第161条第1項・厚年法第82条第1項)。 保険料率を標準報酬月額に乗じた総額が奇数の場合、2等分すると1円未満の小数(端数)が生じます。 この端数の取り扱いが「50銭ルール」です。
| 端数の状態 | 取扱い | 結果 | 被保険者への影響 |
|---|---|---|---|
| 折半額の端数が 50銭未満 |
切捨て | 小数点以下を切捨て | 被保険者の負担がわずかに少なくなる |
| 折半額の端数が 50銭以上 |
切上げ | 1円単位に切上げ | 被保険者の負担がわずかに多くなる |
| 特約締結済みの場合 | 常に切捨て | 端数にかかわらず切捨て | 被保険者に有利な取扱い |
賞与から控除する保険料も、標準賞与額 × 保険料率 ÷ 2 の結果に同じ50銭ルールを適用します。
雇用保険料は社会保険料と異なり、毎月の賃金に被保険者負担率を直接乗じた額を給与から控除します。 計算結果に1円未満の端数が生じた場合は、一律に切捨てて整数化します。
| 事業の種類 | 被保険者負担率 (令和7年度) |
事業主負担率 | 合計率 |
|---|---|---|---|
| 一般事業 | 6/1000 | 9.5/1000 | 15.5/1000 |
| 農林水産・清酒製造業 | 7/1000 | 10.5/1000 | 17.5/1000 |
| 建設業 | 7/1000 | 11.5/1000 | 18.5/1000 |
※令和7年度(2025年4月〜)料率。事業主負担には雇用保険二事業分を含む
| 項目 | 社会保険料(健保・厚年) | 雇用保険料 |
|---|---|---|
| 端数処理の単位 | 50銭(0.5円) | 1円 |
| 基本ルール | 50銭未満→切捨て、50銭以上→切上げ | 1円未満は常に切捨て |
| 特約による変更 | 被保険者有利(常時切捨て)の特約あり | なし(常に切捨て) |
| 計算方法 | 総額計算後に2等分(折半) | 賃金 × 被保険者負担率を直接計算 |
| 主な法的根拠 | 健保法161条・167条 厚年法82条・84条 昭和36年3月31日通達 |
徴収法第31条 国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(昭和25年法律第61号)第2条 |
| 端数の発生タイミング | 保険料総額が奇数の場合 | 賃金 × 料率の計算結果が整数でない場合 |
| 区分 | 法令・通達 | 内容 |
|---|---|---|
| 健保・厚年 (負担根拠) |
健康保険法 第161条第1項 厚生年金保険法 第82条第1項 lawId: 211AC0000000070 / 329AC0000000115 |
被保険者・事業主がそれぞれ保険料額の二分の一を負担 |
| 健保・厚年 (控除根拠) |
健康保険法 第167条第1項 厚生年金保険法 第84条第1項 lawId: 211AC0000000070 / 329AC0000000115 |
通貨で報酬支払い時に被保険者負担保険料を控除できる |
| 健保・厚年 (端数処理) |
昭和36年3月31日 保険発第1039号・庁保険発第10号 行政通達(e-Govでは非公開) |
折半額の端数処理:50銭未満→切捨て、50銭以上→切上げ。特約による常時切捨ても可。 |
| 雇用保険 (負担根拠) |
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第31条第1項 lawId: 344AC0000000084 |
被保険者は雇用保険率に応ずる保険料の二分の一を負担 |
| 雇用保険 (端数処理) |
国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律 第2条 lawId: 325AC0000000061 |
国の債権の確定金額の1円未満の端数は切捨て |
| 日雇雇用保険 (端数処理) |
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第31条第2項 lawId: 344AC0000000084 |
印紙保険料の折半額に1円未満の端数があるときは切捨て(法律に明示規定あり) |