フレックスタイム制の労使協定はどんな内容にすればよいのでしょうか?

 フレックスタイム制の採用を検討していますが、労使協定に関しては法定の様式がありませんが、どんな事項について定めればよいのでしょうか。

上記「フレックスタイム制の労使協定はどんな内容にすればよいのでしょうか?」に対する回答

 6項目の法定事項と円滑な運用のための取り決めを定めておくようにします。

 フレックスタイム制を導入するためには、まず、就業規則等でフレックスタイム制を採用する旨を定め、変更した就業規則を労働基準監督署長に届出なければなりません。

 また、フレックスタイム制に関する労使協定は事業場ごとに労働者の過半数を代表する者(または過半数労働組合)との間で書面による協定を締結しなければなりません。

 しかし、この労使協定は、労働基準監督署長への届出は必要はないものとされていますので、法定の届出様式がなく、独自に書面を作成しなければなりません。

 労使協定では、次の6項目について定めなければならないものとされています。

(1)対象となる労働者の範囲/適用対象者は特定の部署、職務を単位として限定することもできます。
 また、管理監督者や試用期間中の者などを対象から除外することもできます。
(2)清算期間/清算期間とその起算日を定める必要がありますが、清算期間は1ヵ月以内の期間としなければなりません。一般には、賃金の計算期間に合わせて1ヵ月とします。
(3) 清算期間における総労働時間/清算期間を平均した1週間の労働時間が法定労働時間の範囲内になるように標準となる1日の労働時間を定めます。
(4)標準となる1日の労働時間/年次有給休暇を取得したり欠勤した場合に、何時間労働したものとするかを明確にするために定めておきます。
(4)コアタイムの開始及び終了の時刻/コアタイムを設けるかどうかは任意ですが、これを設ける場合には、その開始と終了の時刻を労使協定で定めておきます。
(5)フレキシブルタイムの時間帯(開始及び終了の時刻)/フレキシブルタイムを設けるか否かも任意ですが、これを設ける場合には、コアタイムの場合と同様、その開始の時刻と終了の時刻を定めておきます。

 以上のほか、運用上不可欠な事項として、時間外労働の清算方法、清算期間の総労働時間に不足したときの扱い、コアタイムに遅刻・早退・欠勤したときの扱い、休日出勤および深夜業の扱い、年次有給休暇や特別休暇の取扱い等も労使協定で定めておいたほうがよいものと思われます。

 なお、コアタイムやフレキシブルタイムは、始業・終業の時刻に該当するため、これらを設ける場合には、労使協定だけでなく、就業規則にも定めておかなければなりません。

カテゴリー:変形労働時間

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