全国に事業所がある場合、雇用保険の手続きを本社で一括して行えるでしょうか?

 弊社は全国に事業所があり、それぞれ雇用保険の適用事業所としていますが、各事業所で行う雇用保険の手続きはかなり大変な作業となっています。

 そこで、各事業所の事務処理の負担を軽減するため、被保険者を本社に転入させ、本社で一括処理することを検討していますが、可能でしょうか?なお、給与計算は本社で一括処理しています。

上記「全国に事業所がある場合、雇用保険の手続きを本社で一括して行えるでしょうか?」に対する回答

 各事業所で事務処理能力がない場合には、「事業所非該当承認申請書」を提出すれば本社一括が認められることがあります。

 しかし、ご質問のようなケースで、被保険者を本社に転入させることは実態とは異なった処理ですので、「非該当」の認定を受けることは難しいものと思われます。

 労働保険(雇用保険と労災保険)の保険関係は、個々の事業所単位に成立するのが原則ですが、昨今では、コンピュータ等の導入により、給与計算等の事務を本社で集中管理する会社が増加していることから、一定の要件を満たす場合には、支店や営業所等をまとめて労働保険料の申告納付をすることができることになっています。

 しかし、労災保険の給付請求等については、各事業所を管轄する労働基準監督署に行うことになっており、また、雇用保険の被保険者に関する諸手続きに関しても、事業所ごとに処理し、事業所を管轄する職業安定所に行うのが原則です。

 ただし、雇用保険については、事業所が小規模で事務処理能力がない場合や人事・経理上の指揮・監督上、独立した一事業所と認められない場合には、各事業所ごとに「事業所非該当承認申請書」(以下「非該当申請書」という)を管轄の職業安定所に提出して承認を受ければ、本社で一括して被保険者に関する手続きを行うことができる措置が認められています。

 しかし、これも実態で判断されますので、状況によっては承認されない場合もあります(非該当申請書を出したあとで立ち入り検査が行なわれる場合もあります)。

 そこで、ご質問の件ですが、貴社の場合は、今まで各事業所ごとに雇用保険の事務処理を行ってきたわけですから、実際には本社に在籍していない社員を転入させて、本社で事務処理を一括処理しようという措置は、実態と異なった処理となり、非該当申請書自体が受け付けられないものと思われます。

カテゴリー:社会保険

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