労災保険から休業給付を受けた社員に会社から支給する休業手当は課税対象となりますか?

 社員が通勤途上で怪我をして、労災保険の休業給付と療養給付を受けましたが、会社からもわずかですが、休業手当を支給しました。

 この休業手当は課税対象となりますか。

上記「労災保険から休業給付を受けた社員に会社から支給する休業手当は課税対象となりますか?」に対する回答

 所得税法では、労働基準法により使用者が行う補償給付については、課税の対象としないこととしていますので、同法第76条の規定によって会社が支給する休業手当も課税対象とはなりません。

 労働基準法では、業務災害について「労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。」(法第76条第1項)と定めており、使用者に対して休業補償を行うことを義務づけています。

 しかし、実際には、休業4日目以降については、労災保険法から代位として補償が行なわれることになっており、労災保険から補償給付が行われた場合には、使用者の休業補償義務は免除されます(労働基準法第84条第1項参照)。

 もう少し詳しく申し上げますと、最初の3日間の休業については、使用者が平均賃金の100分の60の補償義務を負うことになりますが、それ以降は、労災保険からの給付によって、使用者の補償義務は免除されることになります。

 これらの労災保険法の規定は通勤災害の場合にも適用され、業務災害の場合に準じた保険給付が行われることになっています(昭48.11.23発基第105号)。

 ところで、ご質問の通勤災害に対する労災保険からの休業給付等についてですが、所得税法では、労働基準法により使用者が行う休業補償については、課税の対象としない(所得税法施行令20?二、所得税法基本通達9?1)こととしていますので、通勤災害の場合に支給される給付についても、業務災害の場合と同様、課税対象とはならないわけです。

 貴社で支給された休業手当が、最初の3日間についての休業補償として支給されたのか、それとも4日目以降の労災保険からの給付に上乗せ支給をされたのかは、ご質問からはわかりませんが、どちらにしても課税対象とはなりません。

カテゴリー:社会保険

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