役員賞与からも厚生年金保険の保険料を徴収しなければなりませんか?

 当社では、毎年度の決算の利益処分で、役員賞与を支給しています。

 役員賞与についても、厚生年金保険の特別保険料を徴収する必要があるのでしょうか。

上記「役員賞与からも厚生年金保険の保険料を徴収しなければなりませんか?」に対する回答

 厚生年金保険の被保険者が、労働の対償として、3ヵ月を超える期間ごとに賃金、賞与等の支給を受けた場合には、一般社員や役員等の区別はなく、特別保険料を徴収しなければなりませんが、役員賞与もこれに含まれます。

 厚生年金保険制度では、通常の保険料とは別に、毎月の給与や役員報酬をもとにした標準報酬に基づいて徴収する保険料とは別に、賞与等からも保険料を徴収することになっています。これを特別保険料と呼んでいます。

 ところで、賞与等とは、「標準報酬の基礎となる報酬以外のもの」(平7.3.29庁保発第14号)で、「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとにうけるもの」(厚生年金保険法第89条の2第2項)をいいます。

 ただし、「臨時に支給されるもの」(前掲通達)は除きます。

 この場合、一般社員や役員といった徴収すべき対象者の区別はなく、厚生年金保険の被保険者であり、賞与等の支給を受けていれば徴収対象となります。

 貴社では、毎年決算後の利益処分の一つとして役員に役員賞与を支給しているとのことですが、役員賞与は、一般従業員に対する賞与と同様、定期的に決まった時期に支給されますので、「臨時に支給されるもの」には該当しません。

 また、役員賞与は、その年の利益に応じて支給されるものであることから、労務の対償としての賞与等と考えられます。

 したがって、役員賞与についても厚生年金保険の特別保険料の徴収が必要となります。

 特別保険料の保険料率は、1000分の10、つまり、報酬額の1%とされており、これを事業主と被保険者で折半して負担することになります。

 なお、政府管掌の健康保険でも同様に特別保険料が徴収されます。

 ただし、健康保険の保険料の負担割合は、当分の間、国がその5分の2を補助することになっていますので、実際に納付する額は、賞与等の額に1000分の8を乗じて得た額となり、被保険者が1000分の3、事業主が1000分の5となります。

 なお、厚生年金保険の特別保険料は、将来の年金給付の額への反映はされません

カテゴリー:社会保険

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