高年齢雇用継続基本給付金と在職老齢年金を併給すると実際の所得はどうなりますか?

 定年退職者を引き続き嘱託社員として再雇用する場合に、在職老齢年金や高年齢雇用継続給付を活用したいと考えています。

 この二つを受給することを前提に定年後の賃金を決めたいのですが、実際にはどうなるのかお教え下さい。

上記「高年齢雇用継続基本給付金と在職老齢年金を併給すると実際の所得はどうなりますか?」に対する回答

 高年齢雇用継続給付金と在職老齢年金の併給を受けると会社が負担する賃金が相当低くても、60歳到達時点の所得を受けることができる場合があります。

 定年退職した従業員を引き続き再雇用する場合の賃金を決める際に、在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金を活用すれば、本人の所得を確保しつつ会社の人件費負担を少なくすることが可能となります。

 高年齢雇用継続基本給付金は雇用保険から支給される給付の一種で、一定の要件を満たす60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者が、60歳到達時点に比べて賃金が相当低下した状態で働き続けている場合に支給されます。

 具体的には、被保険者であった期間が通算して5年以上ある者の各月の賃金が60歳到達時の賃金額の85%未満に低下した場合に、65歳に達する日の属する月まで支給されます。

 支給額の算出方法は、支給対象月の賃金を60歳到達時の賃金と比較して

(1) 64%未満であるとき

  支給額=支給対象月に支払われた賃金額×25%

(2) 64%以上85%未満のとき

  支給額=支給対象月の賃金×(25%?一定の割合で逓減する率)?16/21×支給対象月に支払われた賃金額+13.6/21×60歳到達時の賃金月額

 実際に高年齢雇用継続基本給付金と在職老齢年金が併給されると、低下させた賃金とこれらの給付の合計額が、従前の賃金額とほぼ同額の手取りを保障することができる場合があります。

 例えば、60歳到達時の賃金月額が40万円、年金額が月額24万円の人の賃金が20万円に低下した場合、会社の費用負担は60歳到達時の約半分でほぼ同水準の手取額を保障することができます。

 また、賃金が低下した分を賞与で補うようにした場合には、賃金を20万円としたときの高年齢雇用継続基本給付金と在職老齢年金を合わせた合計収入は336,000円となり、60歳到達時の賃金40万円との差額の64,000円、12ヵ月分で768,000円を賞与で補うことにすれば、会社負担額は約60%ほどですむことになります。

カテゴリー:社会保険

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