履歴書に家族欄のあるものを使用してもいいでしょうか?

 最近市販されている履歴書には家族欄がありませんが、社員の採用にあたり、履歴書に家族欄のあるものを使用したいと考えています。
 何か法的な問題があるのでしょうか。

上記「履歴書に家族欄のあるものを使用してもいいでしょうか?」に対する回答

 家族の職業や家庭状況についての記載は、労働者本人の適性、能力には関係のない事項ですから、履歴書に家族欄を設けることはできません。

 現在市販されている日本工業規格(JIS)の履歴書には、家族欄はありません。
 それは、次のような考え方に基づいて、平成10年7月に履歴書の様式が改定されたからです。

 社員の採用選考にあたっては、労働者本人のもつ適性、能力が求人職種の職務を遂行できるかどうかを基準にすることが大切なのであって、親の職業や家庭状況等は労働者本人には何ら責任のない事項です。

 したがって、本人の採用選考に予断と偏見を持ち込むことを防ぐために、家族についての記載は中止されました。
 つまり、本人のもつ適性、能力以外のことを採用の条件にしないということです。

 同様の趣旨で本籍地についての記載も禁止されています(東京都労働経済局職業安定部職業安定課発行冊子「面接」参照)。

 なお、このほか、面接の際、避けたい質問事項等として次のものがありますので、留意して下さい。

1. 本人に責任のない事項
 本籍、出生地に係る質問
 家族に関する質問(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
 住宅状況に関する質問(環境、持家・借家の別、広さなど)等

2.本来自由であるべき事項
 宗教に関する質問
 支持政党に関する質問
 人生観、生活信条に関する質問
 尊敬する人物に関する質問
 思想に関する質問
 労働組合・学生運動など社会運動に関する質問
 購読新聞・雑誌・愛読書などに関する質問等

3.女性に対して一定の事項についてのみ質問すること
 結婚しても仕事を続けるかどうかの質問
 恋人がいるかどうかの質問
 スリーサイズについての質問等

 なお、この他、身元調査、家庭調査、特に必要な場合を除く健康診断などの実施、適正な応募書類(全国高等学校統一用紙、JIS規格履歴書など)にない項目を含んだ応募用紙の使用なども避けるべきものとされています。

カテゴリー:採用・雇用

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