SEなどの高度な専門技術をもつ者を、3年契約で雇用することはできますか?

 当社では、販売管理と経理財務を統合的に処理するコンピュータネットワークシステムを導入したいと考えています。
 そのシステム構築のためには3年くらいかかる見通しです。

 そこで、この業務に精通したSEを、3年契約で雇い入れたいのですが可能でしょうか?

上記「SEなどの高度な専門技術をもつ者を、3年契約で雇用することはできますか?」に対する回答

 厚生労働省令で定める一定の範囲の高度の専門的知識や技術を持つ者や満60歳以上の者については、最長3年までの期間を定めて雇用することができます。

 ただし、一般的にSEは高度専門職には含まれていませんので注意して下さい。

 労働基準法は、期間の定めのある労働契約を締結する場合には、原則として(土木工事事業などの有期事業を除く)、労働契約の期間は1年を超えることができないものとしています。

 ただし、平成11年4月の労働基準法改正により、専門的知識等を有する労働者が不足している事業場で、労働大臣が定める基準に該当する高度の専門的知識等を持つ者を新たに雇入れる場合は、最初の契約期間を3年(更新する場合は1年)の期間を定めて雇用することができることになりました。

 また、満60歳以上の者についても最長3年(更新も3年ごと)の期間を定めて雇用することができることになりました。

 ここで、厚生労働大臣が定める基準に該当する高度の専門的知識等を持つ者とは、次のいずれかに該当する者とされています。

1.博士の学位(外国で授与された学位を含む)を有する者

2.修士の学位(外国で授与された学位を含む)を有する者で、当該業務に3年以上従事した経験を有するもの

3.次に掲げるいずれかの資格を有する者
 公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、薬剤師、不動産鑑定士、弁理士、技術士、社会保険労務士

4.特許法に規定する特許発明の発明者、意匠法に規定する登録意匠を創作した者又は種苗法に規定する登録品種を育成した者で、当該業務に5年以上従事した経験を有するもの

5.国、地方公共団体、民法の規定により設立された法人その他これらに準ずるものによりその有する知識、技術又は経験が優れたものであると認定されている者(上記第1号から第4号までに掲げる者に準ずる者として厚生労働省労働基準局長が認める者に限る)で、当該業務に5年以上従事した経験を有するもの

 以上でお分かりのことと思いますが、ご質問のSEは、一般的には、上記で示された高度の専門的知識・技術を有する者等には含まれていません(博士、修士等の学位を持つ者を除く)ので、60歳以上の方でない限り、3年の労働契約を締結することはできません。

 したがって、どうしても3年契約にしたいのでしたら、労働者の身柄を不当に拘束しないことを明らかにした労働契約を結ぶことで、結果的に3年間の契約にするようにするしかありません。

 その具体的な契約方法として、二つの方法が考えられます。

 一つは、労働契約書に「本契約の期間は3年とする。ただし、乙(労働者) は、本契約の期間中であっても、本契約が1年を経過した後は、いつでも退職することができる」などとする方法です。

 このように定めた場合は、労働者にいつでも解約の自由が与えられていますで、身分拘束とはなりません。

 もう一つは、労働契約の中で「本契約の期間は1年とするが、2回に限ってこれを更新することができる」などのように、1年間の契約を2度に限って更新することをあらかじめ契約しておく方法です。

 ただし、この場合、契約が満了する時点(1年経過時点)ごとに、労働契約を解除する自由が、労働者に与えられていることが必要です。

カテゴリー:パート・契約社員

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