私傷病休職の開始時期を遅らせるためにはどうすればよいのでしょうか?

 当社の就業規則の私傷病休職に関する規定では、「業務外の傷病(医師の診断書がある場合に限る)で会社を欠勤する場合には、欠勤開始日から4ヵ月間については通常の給与を支給する」と定めています。

 ところが、この規定では風邪や腹痛等で2、3日の休みを取った場合にも、その都度診断書の提出を求め、私傷病休職として扱わなければなりません。

 できれば私傷病休職の開始時期を遅らせたいのですが、どのように対応すればよいのでしょうか?

上記「私傷病休職の開始時期を遅らせるためにはどうすればよいのでしょうか?」に対する回答

 私傷病休職の開始時期について、例えば「欠勤が引き続き1ヵ月に達したとき休職とする」などのように、規定を変更したほうがよいでしょう。

 企業の中には、業務外の傷病によって長期の欠勤をする場合に、通常の欠勤とは区別して、私傷病休職と扱っていることが少なくありません。

 このように、就業規則で私傷病休職規定を設けるのは、傷病等によって欠勤が長期に及んでいる労働者に対して、一定の期間従業員としての身分を保障する一方、私傷病休職規定に定める期間を経過しても職場に復帰することができない場合には、規定に従って労働契約を解除することができることを制度化する趣旨からです。

 一般に、私傷病休職については、貴社のように医師の診断書の提出を求める企業が多いようですが、医師の診断書の提出のみを休職の要件とすることは少なく、「欠勤が引き続き1ヵ月間に及んだ場合に」というように一定の欠勤期間を超えることなどの要件を設けています。

 また、休職期間について勤続年数別に分けて定める場合もあります。

 このように、私傷病休職については、就業規則等にはっきりと定めておくことがポイントとなります。

 ところが、現在の貴社の私傷病休職規定では、私傷病休職の開始時期がはっきりと規定されていないために、従業員が風邪などで休んだ日にも医師の診断書さえ提出すれば私傷病休職として扱わざるを得ない状況となっています。

 そこで、私傷病休職についての規定に「業務外の私傷病による療養のための欠勤が引き続き1ヵ月を超えるとき」などの文言を追加して、本来の私傷病休職の趣旨に合致するように開始時期を変更することが必要です。

 また、有給とする期間(日数)についても、「休業開始から3日間は有給とする」などのように明確に定めておくことも大切です。

 ただし、貴社はこれまで従業員が傷病によって欠勤した日を有給扱いとしてきたわけですので、規定を変更することによって、傷病により欠勤した場合に無給となる場合が生じます。

 したがって、就業規則の変更手続きを適正に行うとともに、私傷病休職規定を変更する趣旨を十分に説明し徹底しておくことが大切です。

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