労働契約を反復更新してきたパートタイマーを契約更新時に雇い止めとすることはできますか?

 3ヵ月の期間契約で雇用するパートタイマーをこれまで原則として希望者全員について契約を更新してきました。
 なかには勤務期間が10数年に及ぶ者もいます。

 今後、パートタイマーを削減したいと思っていますが、契約満了時に順次雇い止めとすることは可能でしょうか。

上記「労働契約を反復更新してきたパートタイマーを契約更新時に雇い止めとすることはできますか?」に対する回答

 契約を繰り返し更新していれば、期間の定めのない契約とみなされ、解雇予告手続きが必要となります。

 パートタイマーなど1年以内の期間を定めた労働契約は、その期間満了とともに終了しますが、1年以内の労働契約を繰り返し更新し、1年を超えて雇用してきた場合には、契約期間の満了時に雇い止めができるかというと、必ずしもそうではありません。

 行政解釈では、期間の定めのある労働契約を反復更新し、かつ、同一作業に引き続き従事している場合には、期間の定めは単に形式的なものにすぎず、実質上期間の定めのない契約と同一に取扱うべきであるとしています。

 つまり、契約を反復更新し、1年以上勤務することとなったパートタイマー等を契約期間の満了時に雇い止めにすることは解雇に当たる場合があるということです。

 しかし、期間の定めのある契約の反復更新がどの時点、どの状態から実質上期間の定めのない契約となるかについては明確な基準はありません。

 そこで、パートタイム労働法の「指針」では、このようなあいまいさを解消するため、引き続き1年を超えて使用するに至った労働者の労働契約を更新することなく期間の満了により終了させるときは、統一的に、少なくとも30日前に予告を行なうよう努めなければならないものとしました。

 貴社の場合、3ヵ月の契約を反復更新して、10年以上にもなる方もいるということですので、すでに実質上期間の定めのない労働契約と考えられます。

 したがって、少なくとも契約満了の30日前に「次期は契約を更新しない」旨の予告が必要になります。

 なお、その時期が解雇制限期間
(1)業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間およびその後の30日間、
(2)産前産後の女性が労働基準法の定めによって休業する期間およびその後の30日間
 に当たる場合には、「雇い止め」や「更新の打切り」はできないこと、また、合理的な理由がない場合には、長期勤続のパートタイマーを雇い止め(解雇)することが、解雇権の濫用とされることがあることに留意が必要です。

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