社員を別会社に派遣する場合の通勤費と、それにともなう社会保険の処理について教えてください

 弊社の社員を半年間の予定で、週5日のうち4日を別会社に出向させる予定です。

 このような場合の通勤費については、出向先への通勤費を定期代で支給し、自社へ出勤する通勤費は別途実費支給するというのが通常の支給方法だと思いますが、どうでしょうか。

 また、出向には日当を支給することになっています。
 ところが、この社員は、通勤費及び日当をすべて実費で支給して、社会保険の標準報酬に含めないでほしいと言っています。

 社会保険の報酬月額の正しい処理としてはどのようにしたらよいでしょうか。

上記「社員を別会社に派遣する場合の通勤費と、それにともなう社会保険の処理について教えてください」に対する回答

 ご質問の場合、通勤費と日当は、ともに社会保険の報酬に該当しますので、社会保険の報酬月額を算出する場合には、これらを含めて計算する必要があります。

 2個所の事業所に通勤する場合の通勤費の処理としては、ご質問にあるように、週の4日通勤する方を定期代、1日通勤する方を実費の日数分、給与支給日に支給するという方法でも差し支えありませんが、これらを合わせたものが報酬になりますので、標準報酬月額の算定の際に含めなければなりません。

 なぜなら、健康保険法では、社会保険の標準報酬の対象となる報酬について、「本法ニ於テ報酬ト称スルハ事業ニ使用セラルル者ガ労務ノ対償トシテ受クル賃金、給料、俸給、手当又ハ賞与及之ニ準ズベキモノヲ謂ウ但シ臨時ニ受クルモノ及3月ヲ超ユル期間毎ニ受クルモノハ此ノ限ニ在ラズ」(法第2条参照)と定めていますので、事業主から受ける通勤費、日当もこの場合の報酬に該当することになり、社会保険の報酬月額に含めなければならないからです。

 その際、通勤費の扱いは、実費を金銭で支給しても、定期を現物支給しても、その額を報酬に含めるという扱いに変わりはありません。

 また、出向に対して日当が支給されるということですが、この場合の日当は、出向に対して支払われる恒常的な手当と考えられますので、明らかに賃金に該当し、社会保険の標準報酬月額の算定の際の報酬に含める必要があります。

 遠隔地への出張日当のような諸経費の補てんという意味で臨時的に支給されるものとは区別しなければなりません。

 なお、出向によって通勤費と日当が支給されることにより、1ヵ月の報酬の総額が変わるようであれば、その額によっては、月額変更の対象となりますので、注意が必要です。

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