家賃補助や利子補給を行う場合にはどんな点に留意すればよいのでしょうか?

 社員に対する住宅費の補助を充実させるため、住宅手当を廃止して家賃補助制度と利子補給制度を導入しようと思いますが、これらの制度を導入するにあたって留意しなければならない点はどんなことでしょうか。

上記「家賃補助や利子補給を行う場合にはどんな点に留意すればよいのでしょうか?」に対する回答

 家賃補助は全額、利子補給は本人負担分が1%を下回る部分に課税されます。

 住宅関連施策には社宅や寮など施設の保有、持ち家援助制度、借り上げ住宅制度、住宅手当制度などがありますが、多くの企業では住宅手当が採用されています。

 住宅手当には寮や社宅などを利用する者と利用しない者との均衡をはかるための「均衡手当」的な機能と、実際の住宅費の負担額の一部を補助する「住宅費補助」としての機能の2つの機能があります。

 しかし、住宅手当は金額が家賃に見合わないとか、地域間格差が考慮されない、住宅ローンを抱える持家者には支給されないなどの問題点があることから、家賃補助や利子補給制度などに切り換える企業が増えています。

 家賃補助制度とは、社員が支払う家賃(賃貸借契約の賃料)の一部を負担する制度をいいます。

 家賃補助の方法には、一律金額を支給する方法と、家賃額に比例して一定率を支給する方法があります。前者は家賃の水準にかかわらず定額支給となるため、住宅手当と同様な問題点がありますので、一般には後者の方法によることが多いようです。

 後者の方法をとる場合には、地域ごとに負担額の上限を設けたほうがよいようです。

 なお、家賃補助は一種の住宅手当と解されますので、給与として全額課税され、また、時間外・休日労働の割増賃金の基礎となる賃金に含めなければならないことに注意が必要です。

 利子補給制度とは、持ち家の取得に際して住宅ローンを利用し、その返済を行っている場合に、その利子の一部を補助する制度です。

 例えば、住宅ローンの利息が5%の場合に、2%の利子補給をし、残りの3%を社員本人が負担するというような方法です。

 利子補給制度を導入する場合には、利子補給率、借入額の上限、自己負担の利率、対象者の条件などを定めておく必要があります。

 利子補給率については、本人の負担利率が1%未満となると、その部分については課税されますので、例えば、「本人が負担する金利が1%を超える場合には、2%を上限に利子補助をする」などのように非課税の範囲で利子補給します。

 また、借入額の上限を決め、利子補助があまり高額にならないように制限することも重要です。

 対象者の条件とは、勤続要件、新築・買い替え・増築・改築などの対象住宅の範囲や借入機関などです。

 住宅手当を廃止し、これらの制度に切り換える際には、住宅手当を基本給に組み入れるとか、新しい制度によって補填される額が従来支給されていた住宅手当を下回らないようにすることが大切です。

カテゴリー:福利厚生

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