2018年4月施行「改正障害者雇用促進法」のポイント

2020年1月27日

2018年4月施行の「改正障害者雇用促進法」ポイント

民間企業の雇用障害者数が過去最高に

 昨年12月12日、厚生労働省より「平成29年 障害者雇用状況の集計結果」が発表され、民間企業における雇用障害者数(49万5,795人、前年比4.5%)、実雇用率(1.97%、前年比0.05ポイント上昇)がともに過去最高を更新したことがわかりました。
 今年4月には「改正障害者雇用促進法」が施行される予定となっており、障害者雇用に対する関心はますます高まっていきそうです。

「障害者雇用促進法」改正の内容

 4月から施行される改正のポイントは以下の通りです。

  • (1)法定雇用率の引上げ
     事業主は、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用することが義務付けられていますが、その率が、民間企業については現行の「2.0%」から「2.2%」に引き上げられます。
     また、今回の法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が「従業員50人以上」から「従業員45.5人以上」に変更されます(短時間労働者は1人を0.5人としてカウント)。
     なお、平成33年4月までにはさらに「2.3%」への引上げが予定されています。
  • (2)法定雇用率の算定基礎の見直し
     法定雇用率の算定基礎の対象は、これまで「身体障害者」および「知的障害者」に限られていましたが、新たに「精神障害者」が追加されます。
     なお、昨年12月22に開催された「第74回 労働政策審議会障害者雇用分科会」において、障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案が示され、精神障害者である短時間労働者に関するカウント方法に以下の特例措置が設けられることが明らかになりました。
  • 【特例措置の内容】
     精神障害者である短時間労働者であって、新規雇入れから3年以内の者または精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の者に係る雇用率のカウントにおいて、平成35年3月31日までに雇い入れられた者等については、1人をもって1人とみなす(現行は1人をもって0.5人とみなしている)こととする。

障害者雇用の産業分類別の状況

 64歳以下の割合と比べて高年齢被保険者の割合が高い産業は、1位「その他サービス業」、2位「道路旅客運送業」、3位「地方公務」でした。
 逆に、64歳以下の割合と比べて高年齢被保険者の割合が低い産業分類は、1位「医療業」、2位「情報サービス業、3位「その他の小売業」でした。

障害者雇用について今後の企業の対応は?

 法定雇用率の引上げ等が行われることから、各企業においては、今後どのように障害者雇用に向き合っていくのかが問われることになりそうです。

<出典:日本法令 https://www.horei.co.jp/>

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